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プログラムに埋め込まれた業務仕様を自動抽出する技術、富士通研が開発

» 2016年10月11日 13時44分 公開
[ITmedia]

 富士通研究所は10月11日、業務システムのプログラムを解析し、実装されている業務上の決まりや計算の方法などを理解しやすい条件表として自動抽出する技術を開発したと発表した。大規模化・複雑化したシステムの現状把握の手間を削減でき、システムのクラウド移行などの作業の効率化につながるとしている。

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 業務システムを移行・再構築する際は、システムの現状把握が必要だが、長年の開発で大規模化・複雑化したシステムは、仕様書が陳腐化したり、開発関係者が散逸するなどしてブラックボックスになっている場合が多く、仕様の把握に多くの時間がかかってしまう問題があった。

 富士通研は、大規模なプログラムを分割して業務仕様を掘り起こし、表の形で抽出する技術と、分割された表から全体の表を再構成する技術を開発。実装されている業務仕様を理解しやすい条件表として自動的に抽出でき、現状把握の作業を効率化できるという。

 同技術を社内の事例に適用したケースでは、仕様書の再整備にかかる時間を約3分の2に削減でき、システム移行時の業務仕様作成の効率化を実証できたという。今後は、プログラム資産から機能部分を見つけ出す技術などちと組み合わせて実プロジェクトでの試行と課題対応を進め、2017年度中の実用化を目指す。

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