ディランの音楽を軸にジョブズを描いたダニー・ボイル監督版「スティーブ・ジョブズ」。ボイル監督が使用楽曲の持つ意味を解説しているNewsweekの記事があるので、それを踏まえて映画を見ると、より深読みができるだろう。
ディランを知りたいのなら、マーティン・スコセッシ監督によるドキュメンタリー「No Direction Home」も必見。何者でもなかったディランがウディー・ガスリーに惹かれ、ジョーン・バエズに魅力を感じ、ミネソタからNYCグリニッジビレッジに向かい台頭していく。そういえばジョーン・バエズと一時期付き合っていたというのもジョブズとディランの共通項でもある。
ボブ・ディランが作った音楽を、スティーブ・ジョブズが作った再生装置でぼくは聴いている。オープンリールテープはiPod、それからiPhoneになり、いまやApple Musicで歌詞の意味を考えながら聴くことができるというわけだ。
Spotifyでは、Geniusというサービスと連携し、ハイライトされたクラウドソーシングで集められた歌詞の意味が表示されるようになっている。アプリ連携は日本ではされていないようだが、Webなら曲名で検索すれば使える。
例えば1984年に「時代は変る」でジョブズが引用した部分は、聖書のマタイ伝第5章「心貧しき者は幸いなり」からの影響があるなどとある。
15歳のジョブズが懸命に意味を探っていたディランの難解な歌詞は、いまやクラウドソーシングの集合知で探せるのだ。
歌詞の読み解き方も時代で変る。
ところで14日にはディランのノーベル文学賞効果でソニーの株価が今年の最高値を記録したそうだ。前日にはPS VR(どこに行けば買えるのだ?)で最高値を出したのだが、それを更新したという。
ソニーのCSL(コンピュータサイエンスラボ)ではAIを使いビートルズ風楽曲を作り出したが、歌詞はまだのようだ。そこはWatsonに頼るべきか。
でも、とりあえずディランのように歌う練習をすることはできる。ボブ・ディラン公式サイトでは、"Like A Rolling Stone"をディランと一緒に正確に歌う練習ページを用意しているのだ。ノーベル文学賞の詩人と一緒に歌えるチャンスだ。
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