東芝と慶応義塾大学は10月26日、画像・音声認識技術などを使ってラグビーの試合映像を解析し、プレー内容を分析する実証実験を始めたと発表した。2019年のラグビーワールドカップに向け実用化を目指す。実験で得た技術は産業分野にも応用するという。
ラグビーはプレイヤーの人数が多い上に動きが速く、選手が密集して重なったり、ボールが隠れて見えなかったりと、試合展開を分析しづらいケースがある。
同社は、試合映像から捉えた選手やボールの動きを、フィールドを真上から見たように作った「仮想2次元フィールド」にマッピングする技術を開発。ディープラーニングで選手のユニフォームや動きを学習し、人物の認識精度を高めているという。レフェリーが鳴らすホイッスル音を音声認識技術で自動検出し、映像や仮想フィールド上にタグ付けすることもできる。
東芝はこの実験で得た知見を基に、同社のクラウドAIサービス「RECAIUS」(リカイアス)を強化し、産業分野にも応用する考え。例えば製造業では、選手たちの動きを同時に認識する技術を工場の導線管理に活用したり、スクラムやモールなどを検出する技術を作業内容の検証や作業時間の測定に役立てたり――といったことが可能という。
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