日本最強の囲碁ソフト「DeepZenGO」とプロ棋士・趙治勲名誉名人が対局する「第2回囲碁電王戦」の第3局が11月23日に行われ、趙名誉名人が勝利した。三番勝負は、趙名誉名人が2勝1敗で勝ち越し、幕を閉じた。
電王戦のルールはハンディキャップがない互先(たがいせん)の三番勝負。19日の第1局は趙名誉名人、20日の第2局はDeepZenGOが勝利していた。
DeepZenGOは、米Googleの囲碁用人工知能(AI)「AlphaGo」を上回る性能を目指し、2016年3月から開発中のソフト。囲碁ソフト「Zen」開発チームのチーフプログラマー・尾島陽児さんを中心に、AIを専門に研究する東京大学・松尾研究室、ドワンゴなどが協力して開発を進めてきた。対する趙治勲名誉名人は、史上最多タイトル獲得数(74)などを誇るトップ棋士だ。
終局後、趙名誉名人は「自信はなかった。DeepZenGoはかなり強いが、弱い部分もあった。ミスをするところに人間味を感じる」と話す。「人工知能に負けるのは恥ずかしくない。これだけ強くなってくれたら、僕らもソフトの打ち手を勉強して強くなれる。感謝している」(趙名誉名人)。
一方、DeepZenGO開発チームの加藤英樹さんは「第3局は互角の部分もあったが、序盤で損することが多く、よいところはあまりなかった」と敗因を振り返る。「序盤を優位に進めるディープラーニングよりも、思考時間などプログラム面が課題と感じる。どこを直せばよいか、得ることの多かった三番勝負だった」(加藤さん)。
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