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米連邦政府、ロシアが大統領選に介入したとして情報員追放などの制裁発表

» 2016年12月30日 07時14分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 バラク・オバマ米大統領は12月29日(現地時間)、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利した米大統領選で起きたサイバー攻撃にロシア政府が関与していたとして、同国の情報員35人の国外退去を含む制裁措置を発表した。

 これに先立つ10月7日、米国土安全保障省と国家情報長官室は、民主党全国大会や米国の政府機関への一連のサイバー攻撃を指揮したとして、ロシア政府を非難する声明を発表した。また、選挙後にはコンピュータ科学の専門家らが、選挙結果の集計システムへの不正侵入などにロシア政府が関与したとの見方を発表していた。

 obama バラク・オバマ大統領

 オバマ氏は発表文で「10月の報告は、関連データ窃盗とその開示はロシア政府のトップレベルの高官が指示したことを示した。さらに、米国の複数の外交官がこの1年、モスクワで許容し難い嫌がらせを受けた。それらに応じて、複数の措置を講ずる」と語った。

 制裁措置は、「persona non grata(派遣先政府にとって好ましくない外交官という外交用語)」に指定されたロシアの情報員35人の追放の他、メリーランド州とニューヨーク州にあるロシアが使っている施設の閉鎖、DHS(国土安全保障省)とFBI(連邦捜査局)が集めたロシア情報機関によるサイバー行動に関する技術情報の開示など。

 オバマ氏はこれで終わりではないとしている。連邦政府は数日中に連邦議会に対し、大統領選でのロシアの一連のサイバー行動に関する報告を提出する計画だ。

 2017年1月20日に大統領に就任する予定のトランプ氏は制裁措置発表の前日、記者団に対し、「コンピュータはわれわれの生活を非常に複雑にした。コンピュータ時代には、何が起きているか正確には誰にも分からない」と語り、現政府によるロシア政府の選挙関与解明について尋ねられると「できるだけのことをして、はっきりさせるといい」と答えた(米The Bloombergより)。

 trump ドナルド・トランプ次期大統領

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