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Dellがクリエイター向け液タブ「Dell Canvas」発表 Surface Studioとの違いは? 製品担当に聞くCES 2017

» 2017年01月10日 18時05分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 米Dellは、米ラスベガスで開催された家電見本市「CES 2017」(1月5〜8日、現地時間)に合わせ、ペン入力やダイヤル型デバイスが利用できる27インチディスプレイ搭載デバイス「Dell Canvas」を発表した。3月30日に米国で発売予定で、価格は1499ドルから。日本での展開は未定。

photo 「Dell Canvas」

 本体にOSは搭載せず、PCなどと接続して使うデバイス。デスクに好きな角度で設置でき、液晶ペンタブレットとして絵を描いたり3Dモデリングしたりできる。

 ディスプレイはIPS液晶の非光沢27インチQHD(2560×1440ピクセル)。色域はAdobe RGBカバー率100%で、20点マルチタッチと2048段階の筆圧検知に対応。PCとはMini DisplayPort、Mini HDMI、USB Type-C(DisplayPort over USB Type-C)で接続する。サイズは792(幅)×446(奥行き)×13(高さ)ミリ、重さは8.4キロ。

 この分野ではワコムが先行しているが、タッチ操作やペン入力のほかに、ディスプレイ上に置いて押し込んだり回したりできるダイヤル型デバイス「トーテム」を利用できるのがDell Canvasの売りだ。

photo ダイヤル型デバイス「トーテム」

「Surface Studio」と何が違う?

 ダイヤル型デバイスといえば、米Microsoftが発表したオールインワンPC「Surface Studio」でも同様のコンセプトを持つ周辺機器「Surface Dial」が登場しており、クリエイティブな作業を行うユーザーに新たな操作体験を与えようとしている。

photo Surface Studioで利用できるダイヤル型デバイス「Surface Dial」

 米Dellのプロダクトマネージャーであるサラ・バークハートさんは、Dell CanvasがSurface Studioと異なる点をこう話す。

 「Surface StudioはオールインワンPCであるため、ペン入力を行うときにディスプレイを水平に傾けるといった手間がかかる。Dell Canvasは入力に特化したデバイスのため、別のディスプレイと組み合わせることで生産性を向上できる」。

photo Dell Canvasは作業スペースで、仕上がりは別のディスプレイで確認する利用シーンを想定する

 トーテムを利用するには、ソフトウェア側の対応も必要だ。現在はAdobeやAutodesk、AVID、Dassault Systems、SolidWorks、Microsoftの対応が表明されており、ダイヤル型デバイス向けのUIを開発すれば、トーテムとSurface Dialのどちらでも利用できるという。

 現状はトーテムとSurface Dialにハードウェア的な互換性はないが、バークハートさんはユーザーが望むのであれば、Dell Canvas上でSurface Dialが利用できるようにすることも視野に入れていることを明らかにした。

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 「今公開しているトーテムはプロトタイプで、製品版ではもっとすてきなものになる。キーボードやマウスといった従来の入力デバイスによる限界を取り払い、今までできなかったことができるようになるだろう」(バークハートさん)

今後は製品バリエーションも?

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 Dell Canvasはグラフィック作業や動画編集、3Dモデリングなどに特化しており、デジタルコンテンツクリエイターやエンジニア、ビジュアルアーティスト、株取引などに携わる人をターゲットにした製品だ。バークハートさんはインタビューで、ディスプレイサイズのラインアップ拡充計画も示唆した。

 「ユーザーから得たフィードバックをもとに、さらに製品を改善する。今後はより大きなサイズやモバイルに適した小型モデルを作っていきたい」(バークハートさん)

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