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ライオンズマンション、宅配ボックスを新開発 「ライオンズマイボックス」で再配達削減へ

» 2017年04月10日 19時27分 公開
[片渕陽平ITmedia]
photo 新型の宅配ボックス「ライオンズマイボックス」。写真は12世帯向けのもの。マンションの世帯数に応じ、ボックスの数をカスタマイズする

 ライオンズマンションを運営する大京は4月10日、新型の宅配ボックス「ライオンズマイボックス」を同社マンションに順次設置すると発表した。1世帯ごとに1つずつボックスを割り当て、複数の配送業者が同じボックス内に荷物を預け入れる仕組み。17年3月竣工の新築物件に採用するほか、大京グループの既設マンションにも導入を促していく。

 新型ボックスは、宅配ロッカーを手掛けるフルタイムシステムと共同開発。世帯ごとに荷物を入れる「住戸専用ボックス」と、他世帯とスペースを共用する「共用ボックス」の2つを組み合わせて搭載している。

 このうち住戸専用ボックスは、あらかじめ配達業者(ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便)にロッカーを解錠・施錠できる磁気カードを配布し、不在時でも各世帯のボックスに荷物を預け入れられるようにする。1つのボックスに複数の業者が荷物を預けられるため、スペースを効率よく利用できるとしている。

photo 「住戸専用ボックス」と「共用ボックス」を組み合わせている

 住戸専用ボックスは、はがきなどの郵便物が入るメールボックス、小包などが入る荷物ボックスに分かれている。荷物ボックスの内寸は約270(幅)×約210(高さ)×約420(奥行き)ミリ。Amazon.co.jpなどのECサイトが広く取り扱う「80サイズ」(外寸合計が80センチ以下の荷物)なら、複数個収まるという。

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 そこに入らない大きさの荷物や、磁気カードを配布していない業者の荷物は、共用ボックスに預け入れる仕組み。共用ボックスは、クリーニング業者に預けたい衣服を入れ、業者が引き取りに来るスペースにも転用できる。不要なチラシを捨てるダストボックスも備える。

 ボックスに荷物を入れたまま放置しているユーザーには、メールで通知したり、マンションのオートロック画面でアラートを出したりする。

荷物の預け入れのデモンストレーション

 新型ボックスは、17年3月に竣工する首都圏・北海道の5物件に設置し、4月以降も全国10物件に導入する予定。大京グループが管理しているマンションでは、リニューアル工事のタイミングに合わせ、管理組合に導入を提案していく。フルタイムシステムの販路を活用し、大京グループだけでなく他社にも販売するという。

「みかん箱ではなくAmazonサイズの箱で満杯に」

 近年、ネットショッピングの普及に伴い、宅配便の取り扱い個数が増え、不在などによる再配達が増加。宅配ボックスは、再配達削減の“切り札”として期待されている。

 「ここ数年、みかん箱サイズではなく、Amazonサイズの箱で宅配ボックスが満杯になるようになった」――フルタイムシステムの大西信行さん(お客様もうかる営業部部長)は、そんな実態を話す。同社がヤマト運輸、日本郵便、佐川急便にヒアリング調査したところ、配達荷物の6割以上が「80サイズ」だったという。

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 一方、大京グループは、これまでもマンションに宅配ボックスを設置してきたが、全て共用ボックスである上に、設置率は総戸数の15%ほどにとどまっていたという。大京の中山雄生 商品企画室室長は「共用ボックスは、他人が開けるわけにはいかないので、ある人の荷物を1個入れると、どんなにスペースが余っていてもそれ以上は入庫できなかった」と課題を明かす。

 「それならば、各世帯に専用のボックスを設ければよいという単純な発想から『ライオンズマイボックス』は生まれた」と中山室長。新型ボックスによって「再配達ゼロを目指したい」としている。

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