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Twitterの身売り先は“ユーザー自身”? 5月の株主総会で提案か

» 2017年04月14日 19時05分 公開
[大村奈都ITmedia]

 Twitterは業績の伸び悩みにより、2016年秋から売却先を探しているが、まだ有力な候補は見つかっていない。そんな中、誰も予想していなかったTwitter社の買収先候補として、Twitterユーザー自身が注目されていると、米ITニュースサイトRecodeがこのほど伝えた。

 一部のTwitterユーザーは、ユーザー自身で「協同組合」を設立し、Twitterプラットフォームを買収しようと提案しているそうだ。Twitterの身売りが伝えられた昨年秋の段階から、この動きは始まっていたという。

 かなり意表を突いた、悪く言えばとんでもない提案だが、この提案は、5月に開かれるTwitter社の年次株主総会に正式に提出される可能性がある――と同記事は伝えている。

photo Change.orgの署名呼び掛け

 日本でも、代表的な協同組合の1つに「生活協同組合」(生協)がある。これは、営利企業であるスーパーマーケットとは違い、利用者が出資して組合を作り、その組合が生活に必要で安心できる商品やサービスを提供し、組合員が購入する仕組みだ。

 Twitterのサービスは、声の大きい少数のユーザーによって運営が左右されているとみられている。Twitterの社会的影響力は、そのビジネス面での影響力よりはるかに大きい。こうした特徴はもともと、企業よりも協同組合的だ。協同組合化案の支持者は、Twitterが四半期ごとの収益確保に必死になるよりも、よりよいサービスを展開するための余裕を持てると主張する。

 嘆願書サイトChange.orgの署名呼び掛けページでは、日本時間の14日午後6時半までに3586人の賛同者が集まっている。嘆願書は「株主に利益をもたらさないからTwitterは失敗しているとウォール街は判断している」「そしてTwitterは売りに出されてしまった。新しい所有者は、利益または政治的な理由により、われわれの愛するプラットフォームを崩壊させるかもしれない」と指摘している。

 しかし、協同組合化の提案には障壁もある。まず当然だが、Twitterの経営陣はこの提案に熱心ではない。そして、同社にはいまだに100億ドル以上の資産価値があると見積もられており、プラットフォームを買収する資金を集めるのは容易なことではない。

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