Web上の一見広告には見えない広告もブロックできる技術を開発したとして、プリンストン大学の研究者らが4月14日(現地時間)、論文(リンク先はPDF)を発表し、コンセプト実証用のChrome拡張機能「Perceptual Ad Blocker」をChromeウェブストアで公開した。
この拡張機能は、広告主、パブリッシャー、読者、ブロッカー提供者を巻き込んでいる広告ブロック問題で中立性を保つために、広告をブロックするのではなく、検出した広告を広告であることが分かるよう表示するにとどめている。
研究者の1人でプリンストン大学の助教、アルビン・ナラヤナン氏は、この研究は、昨年夏に米Facebookが広告をブロックソフトを使っているユーザーの画面にも、広告を強制表示すると発表したことを受けて開始したと説明する。
この発表後、オープンソースの広告ブロックツール「AdBlock Plus」を提供する独Eyeoが強制表示を回避したと発表し、いたちごっこが続いている。
一般の広告ブロックツールはコード内のマークアップからコンテンツが広告かどうかを判断するので、こうしたいたちごっこになるが、ナラヤナン氏らのブロック技術は、法的に義務付けられている広告であることを示す人間のための表示を“知覚”(perceptual)することで広告かどうかを判断するので、合法な広告であれば検知できる。
研究チームは昨年夏にまずFacebookのニュースフィード上の広告投稿を検知する「Facebook Ad Highlighter」を公開した。Perceptual Ad Blockerは50のWebサイトでの広告検知を確認済みという。
無料で使えるネットサービスの多くは広告売り上げに支えられており、完全に広告がブロックされてしまうとサービスが成り立たなくなる。とはいえ、広告と知らずにクリック(タップ)してユーザーに不快な思いをさせるのは広告主やパブリッシャーにとってもメリットにならないので、Facebookや米Googleなどもオンライン広告改善に取り組んでいる。
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