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なぜKDDIが「離島」に注目? 昆布の島・利尻で「しまものラボ」を開く理由(1/2 ページ)

» 2017年05月26日 15時09分 公開
[村田朱梨ITmedia]

 KDDIは5月25日、離島の地域活性化を目指す「しまものプロジェクト」を北海道利尻町で始めると発表した。商品販売に課題を持つ離島の企業を対象に、オンライン販売のノウハウを教える「しまものラボ」を約4カ月間で5回開き、「au WALLET Market」に商品を出品。「しまものマルシェ」の商品として、個人のスマホやPCだけでなく、全国約2500店のauショップ店頭のタブレット端末からも購入できるようにする。

photo 北海道利尻町
photo 美しい海が広がる

「利尻島といえば昆布」で立ち止まらない

 利尻島から出品するのは、名物の利尻昆布を漬け込んだ梅酒、利尻昆布ラーメンなど。そこには「昆布づくし」に終わらないこだわりも秘められている。

 「ただの主婦にも、島のために新しいことができると思って」と話すのは、しまものプロジェクトに参加する北利ん道(きたりんどう)の平川さん。普段は主婦として生活している平川さんは、昆布のうまみ成分を粉末にした昆布塩を練りこんだ塩アイスを開発して出品。トッピングはなんと乾燥ウニ。「昆布やウニそのものではない、新しい利尻の名物として発信していきたい」と語る。

photo 「利尻昆布の塩アイス」。混ぜるとトルコアイスのような粘り気が出る
photo 平川さんのお店で提供していたもの。こちらを通販用にアレンジ

 地元食品を扱う小売店として参加する高橋さんは、「ネットや全国展開は未知の世界。それでもやっていかなきゃいけない時代になった。『利尻といえば昆布』だけではいけない」と話す。「人口が減れば消費も減る。商品を全国に発信することで、それ目当ての観光客も増やしたい」とした。

photo テレビでも取り上げられた「利尻昆布ラーメン」
photo 地域おこし協力隊・八木橋さんおすすめの「銀杏藻」

photo 利尻昆布を漬け込んだ梅酒

 「若い女性に向けて島の商品をPRしたい。島外での販売には販売者の思いを伝えるツールが必要なので、広め方などを学びたい」――地域おこし協力隊の八木橋さんはそう話す。出品に向け、女性が手に取りやすいようおしゃれなパッケージづくりにも力を入れているという。

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