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「未来の水車」でクリーンエネルギーを地産地消 水道から発電するスタートアップ、ダイキンが設立

» 2017年06月07日 17時14分 公開
[井上輝一ITmedia]

 ダイキン工業は6月7日、水道施設の水道管などから発電できる「マイクロ水力発電」を用いて発電事業を行う子会社「DK-Power」を設立した。

水道管に取り付けるマイクロ水力発電システム

 マイクロ水力発電は、ダムを用いた一般的な大型の水力発電とは異なり、水道管など小規模な水流から発電するシステムのこと。これまで未利用だった小規模な水力エネルギーを利用し、二酸化炭素の排出を抑えつつ電気を作れるほか、新たな大規模施設を必要としないため「各地の水道施設に普及する可能性がある『未来の水車』」(同社)として期待されている。

 ダイキン工業は2013年、環境省の委託事業としてマイクロ水力発電システムの開発を始め、現在までに富山県砺波市、福島県相馬市、神戸市に納入してきた。同社のマイクロ水力発電事業をDK-Powerが引き継ぎ、自治体などに提供していく。

 発生した電気はDK-Powerが送配電事業者に売電し、送配電事業者が地域住民などに提供する。自治体はシステム設置場所代としてDK-Powerから賃貸料を得る。

DK-Powerのビジネスモデル

 電力消費量の多い上水道施設や、水を多く消費する工場への導入を想定している。水道施設に導入した場合、発電容量22キロワットのシステムなら年間で一般家庭42軒分、75キロワットのシステムなら146軒分の発電量を見込めるという。DK-Powerは2020年に8万4000メガワット時(年間発電量で一般家庭2万3300軒分に相当)の発電を目指す。

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