来日したTwitter幹部に、素朴な疑問をぶつけるインタビュー連載。4日間にわたり、4本の記事を掲載します。
今年4月。「マストドン」が日本のネットで話題になった。Twitterに似たSNSだが、サイト(インスタンス)が1つではなく複数に分散していることが大きな違いだ。インスタンスは誰でも立てることができ、「イラスト好きな人向け」「ラジオ好きな人向け」「関西弁推奨」など、趣味・趣向ごとのインスタンスが多数運営されている。
マストドンを開発したドイツ人のオイゲン・ロチコさんは、「マストドンは分散化したプラットフォームであり、コミュニケーションが単一の企業に独占されるリスクを避けられる」などと説明。Twitterの“一極集中”へのカウンターとして開発したという。
Twitter側はマストドンをどう思っているのか。このほど来日した、米Twitterのプロダクト担当副社長キース・コールマン氏と、ユーザー調査/デザイン担当副社長のグレース・キム氏に聞いてみた。
――「マストドン」は知ってる?
コールマン氏:聞いたことがある。使ったことはないけれど。
――「マストドン」開発者のロチコさんは、Twitterのオルタナティブを作りたいと考え、誰でもTwitterライクなマイクロブログサイトを作れるようにした。その考え方についてどう思う?
コールマン氏:選択肢が増え、競争が増えるのは、世界を前に進めることにつながり、いいことだ。
ただTwitterとしては、自社プロダクトの開発に集中している。Twitterを、何かが起きた時それを最初に知り、ほかの人がどんなことを考えているか知れる場にしたいと考えている。さまざまなサービスは出ているが、我々は、我々のゴールに向かって集中している。
――マストドンにはたくさんのインスタンスがあり、「連合」としてほかのインスタンスとつながる。Twitterはサービスとして大きくなりすぎた面があり、マストドンが歓迎された。小さなグループで快適に過ごせる場作りについて、考えていることはあるか?
コールマン氏:スポーツチームや趣味、近所など、同じ興味を持っている人と出会ったりコミュニケーションしやすい仕組みは作りたいと思っており、方法を考えたり、実験したりしている。例えば、NBAファイナルで、そのゲームに関するツイートだけが見られ、そこからツイート投稿もできるという仕組みを試した。
キム氏:日本のユーザーにリサーチすると、Twitterで複数アカウントを持っている人が多く、コミュニティーやセグメントごとにアカウントを使い分けている。
小さなコミュニティーで交流できた「mixi」へのノスタルジアもよく聞く。小さなコミュニティーの感覚や安心感を取り戻したいと思っているようだ。日本のユーザーからは、さまざまなことを学ばせてもらっており、製品戦略にも生かしている。
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