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» 2017年07月24日 07時00分 公開

俺がこんなにカワイイわけがない──誰でも“美少女に変身する”VR 「かわいさ」追求する男3人の挑戦ゆとり記者が聞く(番外編)(2/3 ページ)

[村上万純,ITmedia]

VR/AR、そして初音ミクとの出会い

 開発を始めたのは2015年。VRにハマり、開発者向けのVRヘッドセット「Oculus Rift DK2」を購入。もともと有名キャラを起用した家庭用ゲームなどを作っていた谷郷社長は、「VRでキャラを表現したい」と思っていたという。

 初音ミクの存在も大きかったという。さぞかし“みっくみく”にされていたのかと思いきや、「実は、ミクがはやっているときはそこまでハマっておらず、一歩引いた目で見ていたくらいです」と谷郷社長。「でも、落ち着いてよく見ると映像もいいし、音楽もいいなと。何よりユーザーが共創してコンテンツを作っているのがいい。そこから徐々にハマっていき、キャラ系プラットフォームを作りたいと思った」

 だが、美少女キャラの作成は一筋縄ではいかなかった。 「思うように動かすのが難しく、顔やスタイルも人様に見せられるレベルにするまで時間がかかった」と谷郷社長は振り返る。約2年をかけて細かいチューニングを繰り返し、「今、ようやくTwitterなどで皆さんにお披露目できるほどになった」と苦労を明かす。

“第2の初音ミク”は生まれるか

 “誰でも美少女になれるVR”が目指すのは、「LINE LIVE」や「SHOWROOM」(参考記事)のように、生番組の配信者と視聴者が相互にコミュニケーションを取れるサービスだ。コメントや有料のバーチャルアイテムでの交流を考えているという。VRで配信し、VRもしくはARを活用したスマホアプリで視聴できるようにする予定だ。

 ほかのサービスと違うのは、画面に映る配信者が生身の人間ではないということ。「初音ミクのように、海外でも活躍するようなキャラがたくさん生まれる場になってほしい。今はVR/ARで3DCGに触れる機会も増えた。クリエイターさんの支援になれば」(谷郷社長)

 「将来的には、niconicoの『踊ってみた』『歌ってみた』『描いてみた』のように、いろんなキャラが自由にパフォーマンスするような場所になってほしい」(同)

 しかし、16年の国内VRヘッドセットの出荷台数は11万台程度(IDC Japan調べ)。その7割以上はPlaystation VRで、VR配信ができる一般ユーザーはまだ多くない。まずは、既存の有名キャラや声優などと組んで、バーチャル音楽ライブをしたり、事前に録音したボイスをしゃべったりなど、キャラとユーザーとのコミュニケーションの可能性を探っているという。「実は女性向けに美男子キャラの開発も検討していて、こちらの方が需要はあるのではと思っている」(同)

VR スマホアプリでの視聴がメインになる予定。この美少女キャラの名前はこれから考えるという

 「課題は、開発陣におじさんしかいないこと」と、福田一行取締役CTOは冗談交じりに笑う。美少女キャラに命を吹き込む上で、女性的なしぐさやしゃべり方、“いい意味でのあざとさ”などは女性でないと出せないのだという。

VR VR配信者は自身を正面スクリーン映像で確認できる

 すでに完成されたように見える、先ほどの美少女キャラも、がに股、胴長など修正すべき部分はまだまだあるそうだ。「3Dアニメキャラはどうすればかわいくなるか、VR業界で日々ノウハウが共有されている」(福田CTO)

 「VRで3Dアニメキャラを表現するときは、目や口を大きくするなど、表情がはっきり分かるようにしないといけない。カメラに近づくため、手の形や動きも大事。視線も重要で、目を先に動かしてから顔を動かす、いったん下を向いてから横を向くなど、ちょっとしたしぐさにもこだわっている」(同)

ひそかに続けた「美少女VR」開発

 今でこそ美少女キャラの開発に本腰で取り組んでいるカバーだが、設立当初は「VR卓球ゲーム」を作っていたという。ちなみに、その卓球ゲームには美少女は一切出てこない。そこにはやむにやまれぬ事情があった。

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