まずは、この写真を見てほしい。
何の写真か分かるだろうか。正解は、スカイツリーだ。Instagramで「#littleplanet」と検索すると、似たような「不思議な球形」がずらりと並ぶ。ハッシュタグの通り、小さな惑星に人や建物が立ち並んでいるように見える。画面中央に撮影者自身の姿を収めることもでき、“次世代の自撮り”とでもいえるかもしれない。
これは、ワンショットで360度写真が撮れるリコーの全天球カメラ「THETA」(シータ)シリーズの写真を加工したもの。本体の前後に付いたカメラで各180度以上を撮影、それらをソフトウェアが自動でつなぎあわせて1つの写真を合成する。専用のスマートフォン向けアプリ(iOS/Android向け、無料。用途別に複数あり)で「リトルプラネット」というアイコンを押すと、一風変わった“丸い写真”が出来上がる(海外では、「#tinyplanet」とも)。Instagramで #littleplanetと検索すると、7月29日時点で8万件以上がヒットする(#tinyplanetは28万件以上)。
「最初はInstagramで見つけて、斬新で面白い写真だなと。自分でも撮ってみたくなって今年3月にTHETAを買って、今ではいつも持ち歩いてます。広く撮れるから、友達も全員写るし。遊びにきてるのか、写真を撮りにきてるのか分からないくらい撮りますね」――カメラが趣味で、今は特にTHETAの360度写真にハマっているという会社員の渡辺満里奈さん(27)は、そう笑う。
「360度撮れるから人がたくさんいても全員写るし、加工しながら角度を変えられるから失敗も少ない。カメラが苦手なほどオススメしたい。私の周りで持っている人は全然いなくて、『これいいよ』って友達に勧めたら4人買ってました(笑)」(渡辺さん)
遠出するときは、iPhone、キヤノンの一眼レフカメラ「EOS Kiss X5」、そして360度写真が撮れる「THETA SC」のほか、100円ショップで買ったビー玉や水晶玉などの小道具も携え、“フル装備”で向かうそうだ。「リュックはすごく重いんですが、Instagramでコメントをもらえたときのうれしさが尋常じゃないんですよね」と話す渡辺さんは「多いときは4〜5時間で600〜700枚くらい撮ることもあるけど、私ほどガチな子は周りにはいないです」と笑う。
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