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斬新、面白い――本当にこれは写真なの? 次世代の“360度自撮り”にハマる人たち(2/3 ページ)

» 2017年07月29日 11時00分 公開
[村上万純ITmedia]

 これまで、自撮り棒、SNOWアプリなど写真に関わる、はやりのものは一通り手にしてきたが、たどりついたTHETAは、その延長線上にあるものという。

 Instagramで「#theta」を検索すると、16万件以上(7月29日現在)の写真がヒットする。渡辺さんも、ハッシュタグのリンクに飛びながら「撮ってみたい」と思う写真を探すという。ビー玉や水晶玉を使う発想もInstagramにアップされている写真から得た。

「360度きっかけで自撮り始める」人も

 360度写真や実写VRの撮影を手掛けるベンチャー企業LIFE STYLEの岩嵜和哉マネージャー(VR制作部 360フォトチーム マネージャー)は、THETAを買ってから自撮りをするようになった1人だ。「これまでわざわざ自撮りなんてしなかったけど、THETAはとにかく面白い。プライベートでもよく撮ります」(岩嵜マネージャー。記事冒頭の写真は岩嵜さんのInstagram)

岩嵜さん LIFE STYLEの岩嵜和哉マネージャー

 広く風景を収めたいようなシーンでは、スマホよりもTHETAが活躍する。撮影や加工のコツもスマホとは異なるという。

 「360度写ってしまうので、とにかく背景を気にすること。スタンドを使って遠隔撮影しないと、絶対自分も写ってしまう。左右対称の場所はバランスよくきれいに写ります」(岩嵜マネージャー)

 家族で出かけたときに自撮りをして思い出を残すこともあれば、同じ場所で違う時間帯に定点撮影した画像を編集ソフト「Photoshop」で加工し、「左半分が昼の空、右半分が夜空のlittleplanet」を時間をかけて作ることもあるという。加工はTHETAの醍醐味(だいごみ)の1つ。同じ写真でも角度によって全く違う印象のものに仕上がることもある。岩嵜マネージャーは「夢中になってやっていると、たまに30分以上加工していることもある」そうだ。

アプリ スマホアプリで加工を楽しむ
アプリ

 これまで、大人数の自撮りには、自撮り棒やスマホのカメラ部分に装着する外付け魚眼(広角)レンズなどが使われてきたが、同じ用途で360度写真を活用する人も現れ始めている。リコーは13年9月にTHETAを発売して以来、出荷台数などは公表していないが、「#theta360」「#thetaのある生活」「#thetas」など、Instagram上のハッシュタグでは日々写真がアップされている。また、一眼レフやサムスンの「Gear360」、スマホアプリでも360度写真は撮れるが、価格や使い勝手に対する写真のクオリティーの高さ、「カメラ本体のかわいさ」(渡辺さん)などから、THETAを手にする人も少なくないようだ。

 こうした360度写真の盛り上がりは、個人だけにとどまらない。

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