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1巻330TB実現する磁気テープ技術、ソニーとIBMが開発

» 2017年08月03日 16時42分 公開
[ITmedia]

 ソニーは8月2日、IBMチューリッヒ研究所と共同で、従来の約20倍・201ギガビット/平方インチの面記録密度を実現した磁気テープストレージ技術を開発したと発表した。テープストレージメディアとして業界最高密度で、カートリッジ1巻当たり約330TBの記録が可能になるという。

画像 ニュースリリースより

 テープストレージを高記録密度化するには、磁気テープと磁気ヘッドの距離を狭くすると同時に、テープ表面と磁気ヘッドの接点の摩擦を抑え、磁気ヘッドがテープ表面を滑らかに走行できるようにする必要がある。

 今回ソニーは、テープ表面と磁気ヘッドの間に塗布する潤滑剤を新たに開発。この潤滑剤は、テープ表面と磁気ヘッドの走行摩擦を抑えつつ、テープ磁性面と潤滑剤の接合を維持する耐久性に優れているという。

 平均7ナノメートルと微細な磁性粒子を均一に形成する「ナノ・グレイン磁性膜」を採用。磁気テープの成膜時の不純物ガス発生を抑える新たなプロセス技術を採用し、長尺成膜を実現した。

 これらの技術と、IBMチューリッヒ研究所が新開発した記録/再生用ヘッドとサーボ制御技術、信号処理アルゴリズムなどを組み合わせ、大容量化を実現したという。

 8月2日に茨城県つくば市で開幕した「The 28th Magnetic Recording Conference」(TMRC 2017、つくば国際会議場)で発表した。

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