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「ラーメン二郎」全店舗“見分ける”bot NTTコムウェア技術者が趣味で開発

» 2017年08月10日 19時53分 公開
[井上輝一ITmedia]

 ラーメン店「ラーメン二郎」のラーメン画像を送り付けると、どこの二郎なのか答えてくれる――そんなTwitterのbotアカウントを開発したと、NTTコムウェアの技術者が8月10日、NTTグループ有志が主催する技術交流会「NTT Tech Conference #2」で発表した。正答率は約87%という。

ラーメン二郎のラーメン画像をリプライすると、どこの二郎なのか答えてくれるTwitter bot「@jirou_deep

 ラーメン二郎は、関東を中心に約40店舗を展開している。店舗ごとにラーメンの味や見た目が少しずつ異なり、ネット上では「常連は見た目で店舗を見分けられる」という声もある。botのTwitterアカウント(@jirou_deep)は、ラーメン二郎の画像をリプライすると、可能性が高い店舗トップ3を答えてくれる。

 「画像を見ても違いが分からなかった」――と、開発者・NTTコムウェアの土井賢治さん。土井さんの同僚が、ラーメン二郎4店舗の画像を自動識別する技術を作ったことがきっかけで、全店舗に対応した判別器を作ろうと思い立ったという。

 土井さんは、普段の業務ではディープラーニングなどの機械学習を使い、道路の不具合検出システムを開発している。今回の判別器は、その経験を生かし、趣味で開発したという。

 TwitterやInstagramから画像を収集し、ディープラーニングのフレームワーク「MXNet」で学習を試したが、フルスクラッチでは約33%しか正解できなかった。

 そこで、土井さんが試した手法が「ファインチューニング」。別のデータセットで学習済みのモデルを転用して学習し直す――というもので、「比較的少ないデータでも精度を得られることが多い」という。適切なモデルを探して試した結果、約87%まで正答率を改善できたという。

 土井さんは、MXNetでのファインチューニングの過程を自動化した「mxnet-finetuner」も作成し、GitHubに公開している。

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