個人が「VA」と呼ばれる模擬株式を発行して資金を調達できるサービス「VALU」で、1日に売却できるVAを個人の総発行VA数の10%未満に制限するルールが9月4日から適用される。1人のVALUに対する買い注文も、1日最大10VAを上限にする。人気YouTuber・ヒカル氏らの“売り逃げ”を受け、ユーザー保護を図る考え。
従来のルールでは、売買注文の回数は1日10回までと制限していたが、1日に売却可能なVA数の上限はなかった。そうした中で今月上旬、人気YouTuberのヒカル氏らが、期待をあおるような言動で自らのVA価格をつり上げた後、手持ちの全VAを投げ売りするトラブルが発生した。投げ売り前には、関係者がヒカル氏のVAを売り抜けており、「詐欺的では」「インサイダー取引のようなものでは」などと批判の声が出ていた(関連記事)。
新ルールでは、1日に売却できるVAを、その総発行数の10%未満に制限。自身が発行したVAを売却する場合も制限対象にするため、ヒカル氏らのように、一度に手持ちの全VAを売り出すことはできなくなる。
取引ルール変更に伴い、4日に利用規約も一部改定。ルールや罰則などについて、ユーザーが分かりやすい規約を目指す。VALUが、議決権などがある「株式」とは異なることを明確化するため、規約の文言を修正するという。「今後もユーザー保護を最優先事項として、取引ルールや利用規約の整備を進める」としている。
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