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ActivityPub実装とOStatus互換性問題マストドンつまみ食い日記

» 2017年08月30日 21時09分 公開
[松尾公也ITmedia]

 マストドン(Mastodon)開発者のオイゲン・ロチコさんは8月28日、マストドンの今後の方針について重要な発表をPatreonに投稿した。Patreonはオイゲンさんがマストドンの開発に関わる寄付を募っているパトロネージサービスだが、この発表は寄付者(月額1ドルから可能)だけではなく、全員が閲覧できるものだ。

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 タイトルは「Progress report on v1.6」。現在1.5.1であるマストドンの次期メジャーバージョンアップと目される1.6の進捗について語っているのだが、触れているバージョンは1.6だけではない。2.0も文章中に登場している。

 そこには、1.6から取り入れられる新たなプロトコルActivityPubが関連してくる。ActivityPubは従来のOStatusを置き換える、脱中央集権ソーシャルネットワーク用プロトコルで、W3Cのソーシャルワーキンググループが策定している。

 OStatusではプライバシーに関するステータスが、Mastodon以外に渡ったときに丸見えになってしまうという問題が残っているが、ActivityPubではその問題が解決される。このためオイゲンさんはActivityPubの実装にかかりきりになっていて、1.5のリリース以降は作業のほとんどを費やしているという。

 OStatusとActivityPubはどちらも並行してサポートしていくが、可能な場合にはActivityPubを優先する。それでも互換性の問題は残る。プライベートトゥートをOStatusに流す後方互換性を残すか残さないか。

 そこで、後方互換性を持つバージョン1.6と、非互換にする2.0の2つのリリースを行うことになるとオイゲンさんは述べている。

 ActivityPubにはプライバシー以外でもメリットがある。同じインスタンスでないところにも削除やリプライが届くようになるのだ。そこの説明は複雑なので、原文を参照していただきたい。

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