ソニーモバイルコミュニケーションズは10月17日、家族の見守りや音声によるLINEメッセージの送受信、生活情報のお知らせ機能などを備えるコミュニケーションロボット「Xperia Hello! G1209」(エクスペリアハロー)を発表した。表情や動きで感情表現を行い、“家族の一員”になれるようなロボットを目指したという。発売日は11月18日で、価格は14万9880円(税別)。
複数のセンサーで周囲の状況を認識しながら、音声認識でコミュニケーションできる卓上型のAndroid搭載ロボット。本体にマイクを7つ搭載し、話しかけた人の方向に顔を向けたり、目を表現した白色LEDを点滅させたり、340度回転したりできる本体の動作によって「行かないで〜」「ばんざーい」「すねる」「盛り上げる」といった感情表現を行える。
Xperia Hello!でできるのは、主に「コミュニケーション」「インフォテインメント」「見守り機能」の3つ。
コミュニケーションでは、Skypeのビデオ通話機能やLINE(Messageing API)を使ったメッセージの送受信に対応。例えば、子供に「宿題やって」、夫に「夕飯を作って」とLINEメッセージをスマートフォンから送ると、Xperia Hello!はそれぞれの顔を認識し、適切な相手にメッセージを読み上げられるという。家族の顔は10人まで登録可能。
インフォテインメントでは、個人ごとに関心のあるカテゴリーや通勤通学経路を登録しておくと、それぞれに適したニュース、天気予報、交通情報、リマインダーの読み上げに対応する。残念ながら、会話を通して好みを学習するといった機能はないようだ。
見守り機能は、LINEアプリに登録したXperia Hello!のアカウントから「家族に様子を聞く」コマンドを選択すると、Xperia Hello!が周囲で顔認識した情報を活用して「5分前に○○さんを見たよ」といったメッセージを確認できるという。「周りを確認して」コマンドを選択すると、音声による予告の後に、Xperia Hello!が周囲をカメラで撮影してLINEに送り返してくれる。
OSはAndroid 7.1を搭載。顔認識や音声認識など、Xperia Hello独自の機能は専用アプリ上で動作する仕組み。本体前面に搭載する約4.6インチ(1280×720ピクセル)のタッチ対応液晶ディスプレイで、PlayストアからダウンロードしたAndroidアプリや、音声アシスタント「Google アシスタント」も起動できる。
本体サイズは約111(直径)×約216(高さ)ミリ、重さは約1085グラム。プロセッサはSnapdragon 650、RAMは3GB、ストレージは32GB(外部ストレージ非対応)。ワイヤレス機能はIEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠のWi-Fi、Bluetooth 4.2、NFCを備える。
頭部前面に搭載するカメラは、有効約1320万画素の裏面照射積層型CMOSイメージセンサー(Exmor RS for mobile)。各種センサーは加速度/地磁気/GPS/ジャイロ/照度/気圧/気温/湿度/人感に対応。スピーカーはモノラルで、データ転送用のUSB Type-Cポート、給電用のDCジャックを備える。約2300mAhのバッテリーも内蔵しているが、電源に接続して利用するのが前提という。音声合成技術に使われている声は独自のもので、声優は非公表だ。
スマートスピーカーのように、Bluetoothでペアリングした機器の音楽再生といった機能は備えていない。
「Xperia Hello!は、家の中のコミュニケーションが楽しくなる、わくわくするような製品」──そう語るのは、ソニーモバイルコミュニケーションズの伊藤博歴副部門長(スマートプロダクト部門) だ。同社はこれまで、コミュニケーションの創造をテーマに、Xperiaブランドのスマートプロダクトとしてボイスアシスタント搭載イヤフォン「Xperia Ear」や、タッチ操作できるスマートプロジェクター「Xperia Touch」を発表してきた。Xperia Hello!は第3弾にあたる。
カメラで家族の顔を捉えて、能動的にコミュニケーションを取る機能を持つことから、製品の名称にはあいさつの「Hello」を採用。ソニーのセンシング技術、ロボティクス技術を投入し、「家族の一員となる存在」を目指して開発を進めてきたという。
「Xperiaブランドはスマートフォンが重要な役割を担うことは変わりはないが、これからはスマートプロダクトとスマートフォンの両軸でブランド拡大を図る。一緒に使うことでスマートフォンだけでは体験できなかったコミュニケーションを提供したい」(伊藤博歴副部門長)
同社は、Xperia Hello!をB2Bに展開する計画も明らかにした。オフィスの受け付け業務や、老人ホーム内のコミュニケーション活性化などでの活用を検討しており、いずれも2018年にソニーグループ内で実証実験を行うという。
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