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「みんなのAI」――ソニーCSLなど新会社 深層学習AIを誰でも教育できるツール公開へ

» 2017年11月29日 15時25分 公開
[ITmedia]

 ソニーコンピュータサイエンス研究所とUEI、ベンチャーファンドの米WiLは共同で、誰もが人工知能(AI)を使いこなせる環境を構築することを目的とした合弁会社「ギリア株式会社」(GHELIA)を設立したと発表した。第1弾製品として、手持ちのデータをアップロードするだけで深層学習AIを教育できるという「GHELIA Studio」を開発し、年内のベータ版公開、来年3月までのサービス開始を目指す。

 新会社の資本金は1億5000万円(資本準備金1億5000万円)。UEIが42.8%、ソニーCSLとWiLがそれぞれ28.6%出資する。社長にはUEI社長の清水亮氏が、会長にはソニーCSL社長の北野宏明氏が就任。清水氏は今年中にUEIの社長を退き、新会社に専念する。従業員は約20人。

 新会社のコンセプトは「みんなのAI」。最先端の深層学習技術を誰もが使いこなせるよう、OSやハードウェアを含む統合AIプラットフォームを開発するという。「あらゆる人々がAIを自分の能力の一部として使いこなせる社会を実現するための製品開発を行う」としており、世界展開を視野に入れる。

 第1弾製品のGHELIA Studioは、手持ちのデータをアップロードするだけで、そのデータを使うとどんな人工知能が作れるか提案され、人工知能のタイプを選ぶだけで全自動で学習を開始するツールになるという。オンプレミス版とクラウドASP版を用意。推奨環境は、Ubuntu Linux 14.04以上/NVIDIA Kepler世代以降/XEON E5-2620v2 x2以上。

 ソニーCSLは、UEIが2013年に開発した手書きプログラミング端末「enchantMOON」を契機にUEIと連携をスタート。「AI技術をコモディティ化するタイミングが来た」と判断し、事業化を決断したとしている。

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