任天堂が、家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」と合体する段ボール製の工作キット「Nintendo Labo」(ニンテンドー ラボ)を発表した。ピアノや釣り竿、バイク、ロボットなどを段ボールで組み立て、Switchと合体させて遊ぶもので、子供から大人まで楽しめる任天堂らしいユニークな発想だと、発表直後からネットで話題になっている。
実は、このようなユニークな“段ボールガジェット”は他にもいくつか存在している。「Google Cardboard」のようなガジェッターにとっておなじみの製品から、音楽キーボードから巨大ロボットPCまで、幅広い段ボールガジェットを紹介したい。
「2メートル超の、段ボールでできた巨大ロボットPC」――そんな規格外の製品が15年以上前に登場していた。開発・発売したのは、球形PC「Artemis」やガルウイングPC「HIMMEL」などを手掛けたルーポ(神奈川県藤沢市)で、その名も「桜花」。同社はシルエットだけを公開していたが、2013年6月19日にその詳細を発表した。
“巨大ロボットPC”とうたっているが、BOXMASTERと共同開発したPCケースでもある。胴体スペースに同社の「段ボールPCBOX」を収納でき、頭部にUSBライトなどを搭載すれば目を光らせることも可能。腕や足など全27カ所の関節が可動するのも特徴だ。
身長2メートル、体重5キロ。他にも胸囲や足の長さなど、PCケースとしては前代未聞のスペック表を公開している。
Nintendo Laboに先駆け、ユードーが17年1月19日に発表したのが、段ボール音楽キーボード「KAMI-OTO」。文字入力用キーボードを音楽用のMIDIキーボードに変身させる段ボール製組み立てキットで、タブレット端末(iOS/Android)などと接続して遊べる。
今年1月16日には、独自基板タイプのフル機能MIDIキーボードの制作を発表。Kickstarterでクラウドファンディングを開始する予定だ。USB、アンプ、スピーカーを搭載した自前の基板を用意し、Bluetoothを搭載したバージョンも予定。iPhone、iPadやPCなどに接続するMIDIキーボードと同等のスペックを持ち、MIDIに対応したさまざまなシンセサイザーアプリに接続できるという。
VR(仮想現実)を気軽に楽しむためのアイテムとして定着しつつあるのが、段ボールで作った「Google Cardboard」や「ハコスコ」といったヘッドマウントディスプレイ。「Oculus Rift」「HTC Vive」などと比べ、スマートフォンを使って安価にVRを体験できるのが魅力だ。
ハコスコの価格は1200円(税別)。Google Cardboardは自作可能で、公式サイトで仕様書(英語)をダウンロードできる。段ボール、レンズ、マグネット、着脱テープ、輪ゴムがあれば独自のHMDを作成でき、自分好みにカスタマイズもできるとしている。
米Googleは、2017年2月28日(現地時間)にCardboardの出荷が1000万個を超えたと発表。同日時点でCardboardアプリはGoogle Playストアから1億6000万回ダウンロードされたという。
もはやガジェットなのかも分からない、段ボールを組み立てて作る個人用防音室「だんぼっち」。カラオケや録音ブースにも使える防音性能を備えるという。
神田産業の、軽量で強度に優れたペーパーハニカム段ボールを全体に使用。だんぼっち内で90db(カラオケ、パチンコ店内に相当)の音量を、普通の会話や学校の授業レベルの約60dbほどに軽減するという。
本体サイズは80(幅)×110(奥行)×164(高さ)センチ。「トール」「ワイド」「グランデ」などサイズの異なる製品をラインアップする。
13年4月に「ニコニコ超会議」で「歌ってみた」用に「だんぼっち零号機」を展示。11月末に初号機が完成した。価格は18年1月1日注文分から改定され、6万4800円(税込)。
Nintendo Laboでは、「ROBOT KIT」(ロボットキット)の紹介で段ボールを背負った男性の姿が公開されたが、“段ボールロボット”と聞くと“お金で動く”あのロボットを思い浮かべる人も多いだろう。
愛らしいルックスで人気を集めるのが、漫画「よつばと!」に登場する「ダンボー」。作中では中に人間が入って動かす段ボール製の着ぐるみになっており、お金を入れると動くという設定。フィギュアやモバイルバッテリーなどさまざまなグッズが展開されている。
ちなみに記者の家には「ゆうパック ダンボー・ミニ」がいる。目は光るが、お金では動かない。
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