「ウイニングイレブン 2018」「コール オブ デューティ ワールドウォー II」などは世界的にもプレイされるタイトルで、日本選手が得意とする格闘ゲーム「ストリートファイターV アーケードエディション」「鉄拳7」も世界大会が開催されている。
しかし、日本のスマホゲームタイトルである「パズル&ドラゴンズ」「モンスターストライク」は、現時点で世界基準のタイトルとはいえず、「より競技性やスキル性の高いタイトルがあったのではないか」「主に日本で遊ばれているタイトルでプロ認定を受けることに意味があるのか」という意見も見られた。
1つの大会の賞金総額が20億円を超える「Dota 2」はゲーム内課金システムがあるが、パズドラやモンストのように「ガチャ課金はゲームスキルと関係ない要素なので競技としてふさわしくないのでは」という考えもある。
認定大会や認定タイトルの選定基準を明確化し、透明性を担保することは、日本eスポーツ連合の「プロライセンス」の位置付けを明確化するためにも必要な作業だろう。
そもそも、プロライセンス制度は世界的に見てもまれな制度だ。日本でも、海外大会で賞金を稼いだり、企業にスポンサードしてもらったりする「プロゲーマー」は存在したが、その定義は曖昧だった。
先述したように、特に日本は格闘ゲームの先進国で、ゲームセンターでその土壌が育ってきた。ゲームデベロッパーだけでなく、プレイヤーやゲームファン、そしてそのコミュニティーがゲーム文化の発展を草の根的に支えてきた面がある。
北米プロゲーミングチーム「Echo Fox」に所属し、ストリートファイターVの強豪プレイヤーとして知られるももち選手(百地祐輔)は、2017年12月21日に「日本国内におけるプロゲーマーのライセンス制度について」と題するエントリを自身のWebサイトで掲載した。
「なぜ新設される予定の特定の団体に“プロを定義”する資格があるのか」
今までその定義を自分たちなりに模索してきて、今現在も現在進行形で探し続けている自分からすると「あなたたちは誰ですか。ゲームが好きな方々なんですか。」という思いが生まれてしまいます。
日本eスポーツ連合は「例外的ライセンスの発行」も行い、IPホルダー(ゲームメーカー)の推薦を条件として、「公認タイトルの大会で著しく優秀な成績を収めている人」を例外的にプロと認めるとしている。
しかし、ももち選手のように日本のeスポーツシーンを盛り上げてきた既存のプロゲーマーからすると、「プロライセンス制度は誰が望んでいるものか」「誰のためのものか」という疑問も残るようだ。
日本のeスポーツ、ひいては日本のゲームシーン全体はどうすれば普及・発展していくのか。これらを真剣に考える上で、日本eスポーツ連合はプレイヤーやゲームファンの声を丁寧に拾い上げ、しっかりと対話していくことが重要になってくるだろう。
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