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自動運転の基幹技術、AIが読む「ダイナミックマップ」とは?(3/3 ページ)

» 2018年02月09日 18時03分 公開
[橘十徳ITmedia]
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一般道の地図整備を視野に自治体と連携

 日本国内の高速道路と自動車専用道路の地図データ整備については完成しつつある現在、その先について同社はどのように考えているのだろうか。

「やはり一般道をどうするかが課題」という中島氏

 「高速道路と自動車専用道路の次は、やはり一般道をどうするかが課題になると思います。一般道については課題がかなり多く、実現方法もまだ明確に決まっていません。このような状況の中、当社は17年11月に、愛知県額田郡幸田町とともに、自動走行システムを活用した交流拠点アクセスおよびまちづくりの実現に向けた連携・協力に関する協定を締結しました。実は高精度3次元地図には、防災やインフラの維持管理などいろいろな利用方法があり、そこに注目している自治体は少なくありません。幸田町もその1つで、今後は先進的な自治体と協力してさまざまな試みを模索していきたいと思います。高精度3次元地図を自動運転以外の用途に活用することで、地図整備のコストも下がり、より多くの人に貢献することができます。さらに、コミュニティーバスの無人化などにもつながります」(中島氏)

インフラの維持管理にも利用可能な高精度3次元地図(画像提供:ダイナミックマップ基盤株式会社)

 国内一般道の地図データ整備と並行して同社が取り組んでいるのが、海外の地図データ整備だ。同社はすでに米国カリフォルニアの一部で試験的にMMSを走行させ、日本国内で行っているのと同様のやり方で数十キロメートル分のデータを作成してみたという。

 「米国は日本に比べて道路が広く、日本での地図データ整備とは少し勝手が違う点もありましたが、基本的には同じやり方で高精度の3次元地図を作れることが確認できました。米国でもこのような地図データの仕様が決まれば当社も取り組んでいきたいという気持ちはあります。われわれは自動運転を実現するための地図として、3次元の点群をベースにしたベクトル地図を使うのがベストだと考えており、今後もこれを広めていくのが当社の役目だと考えています」(中島氏)

北米で実証実験を実施

 自動運転を安全かつ確実に実現するために必要なダイナミックマップ。その基盤となる高精度3次元地図は、高速道路での自動運転が始まるとされる2020年に向け、着々と準備が進んでいた。

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