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皮膚に貼れ、伸縮自在な「スキンディスプレイ」東大など開発

» 2018年02月20日 11時51分 公開
[ITmedia]

 東京大学は、大日本印刷と共同で、皮膚に貼り付けて使う薄型・伸縮自在な「スキンディスプレイ」を開発したと発表した。直接皮膚に貼り付けられる「スキンセンサー」で心電波形を計測し、その動画を、皮膚上に貼り付けたスキンディスプレイに表示できたという。

 伸縮自在なディスプレイを皮膚の形状に合わせてフィットさせ、かつ人の動きに追従させた状態で、1画素の故障もなく動画を表示できたのは世界初としている。

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 スキンディスプレイは、16×24個(384画素)のマイクロLEDを、薄いゴムシートに等間隔で埋め込んだもので、厚みはわずか1ミリ。繰り返し45%伸縮させても電気的・機械的特性が損なわれず、伸縮自在なため、皮膚に直接貼り付けても人の動きが妨げられないという。

 独自の伸縮性ハイブリッド電子実装技術を採用することで耐久性を向上させた。量産性に優れた製造技術を採用し、早期の実用化や将来の低コスト化も期待できるという。

 スキンセンサーは、直接皮膚に貼り付けて皮膚呼吸できるナノメッシュ電極と無線モジュールを組み合わせて開発。心電波形を計測し、スキンディスプレイに動画表示できる。心電波形はスマートフォンで受信して確認・保存することも可能。今回は、スマートフォンのメモリに保存した心電波形の動画をスキンディスプレイに表示した。

 この技術を活用し例えば、心臓疾患のある高齢者が、スキンセンサーを使って自宅で心電波形を計測、その波形が医療クラウドに伝送され、病院の担当医が遠隔で確認し、問題がなければ「いいね」マークを、高齢者の手に貼り付けたスキンディスプレイに表示する――といったことが可能になるという。

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