ヤフーはこのほど、30歳以下で就業経験のない入社希望のエンジニアを対象に、初年度から年収650万円以上を提示する「エンジニアスペシャリストコース」を設け、採用を始めた。新卒・既卒を問わず、即戦力となるエンジニアの獲得を狙う。
応募時点で「30歳以下かつ入社時に18歳以上、2019年10月までに入社可能」が条件。加えて(1)エンジニアリングに付随する起業経験、(2)技術書の執筆経験、(3)自身が開発したアプリのダウンロード数が100万以上、(4)Webサイト「Kaggle」のコンテスト(単独参加)でトップ10%に入賞、(5)競技プログラミングレート保持者(Topcoder 2200以上、AtCoder 2600以上、codeforces 2200以上)、(6)自然言語処理や機械学習など、特定分野(※)のトップカンファレンスでの論文発表経験――といった、いずれかのスキル、それらに準じる経験を持つ人が対象という。
(※)自然言語処理、音声処理、画像処理、機械学習、情報検索、レコメンデーション、コンテキストアウェア、HCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)、分散コンピューティング、データベース、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、仮想化技術、統計モデリング、セマンティックWeb
想定標準年収は650万円以上(賞与込み/月45時間相当の固定時間外手当を含む)。ヤフーが通常のエンジニア採用で提示している年収は、高校・高専・専門・短大・学部卒の場合が約424万円(基準給与、25時間相当の固定時間外手当、賞与/以下同)、修士了の場合が約465万、博士号取得者が約540万。
ヤフーは15年9月から、優秀なデータサイエンス系の人材確保のため、トップカンファレンスでの論文発表経験やTopcoder 2200以上のプログラミング技術を持つ人を対象に535〜820万の年収を提示する「D&S(データプラットフォーム&サイエンス)スペシャリストコース」を設け、採用してきたが、「エンジニアスペシャリストコースでは、アプリエンジニアなどにも適応範囲を広げた」(広報担当者)という。
エンジニアスペシャリストコースでの採用予定人数は明らかにしていないが、「D&Sスペシャリストコースでは、これまでに若干名の採用実績がある」(広報担当者)としている。
ヤフーは1月に、自社の持つビッグデータなどをより活用する「データの会社」になることを目指し、4月1日付でスタートする新執行体制を発表。エンジニア採用の強化は「データの会社」としての成長や、今後のサービス拡大のためという。
同社の広報担当者は「世間的にも優秀なエンジニアが足りていない」と話す。
高い技術を持つエンジニアの獲得を目指し、従来とは異なる採用基準や年収で募集を行っている企業が目立つ。サイバーエージェントは新卒採用エンジニアの初任給制度を撤廃し、能力別給与体系を導入している。
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