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» 2018年05月03日 08時00分 公開

家がまるごとスマートスピーカーに? オンキヨーが描く「AIの未来図」 (2/3)

[山本敦,ITmedia]

 AIを起動して「今何時?」と訊ねると「○○時です。ランチの店を紹介しましょうか」と返してくる。続けざまに「紹介して」と答えると、「ランチにおすすめの店に○○があります。駐車場があります。目的地へ案内しますか」と聞いてくる。「案内をお願い」と返すと、目的地へのルートを音声でナビゲーションしてくれる。対話の合間ごとに「ハロ、ブルージーニー」とウェイクワードを入力しなくてもよい。

 ONKYO AIでは、東芝デジタルソリューションズが開発するコミュニケーションAI「RECAIUS(リカイアス)」の一部から、テキスト/音声変換の技術を採用した。また東芝デジタルソリューションズは人間の声を人工的に作る音声合成技術を使った「コエステーション」というアプリサービスも公開している。こちらはスマホアプリから自分の声を録音して、別途入力したテキストに沿って合成した音声をしゃべらせるというもの。東芝ではこの技術を応用して、企業などに向けて、カスタマイズした声のアーカイブを提供するビジネスも展開している。オンキヨーでは東芝デジタルソリューションズとパートナーシップを組んで、スマートスピーカーに搭載されているAIの声をカスタマイズするサービスを検討中だ。展示会場では「ユキノ」「モエ」「ツトム」という3種類の声を、ウェアラブルタイプのスマートスピーカー「VC-NX01」に搭載してデモンストレーションを行っていた。

 オンキヨーの八木氏は、展示会への出展の反響も見ながら、将来はオンキヨーのオンラインストアでスマートスピーカー向けの「声」を販売する「ONKYOボイス」のマーケットを立ち上げることも視野に入れていると説く。ユーザーが親しみを持てる声を自由にカスタマイズできるサービスが実現すれば、国内外でのスマートスピーカーや、音声操作に対応するスマート家電の普及に弾みがつくかもしれない。

車載用に最適なスマートスピーカーは2019年発売予定

 ONKYO AIには車載用スマートスピーカーの構想もある。既にいくつかの展示会でプロトタイプのスピーカー「VC-AX02」を公開しており、筆者も2月にバルセロナで開催された「MWC 2018」でプロトタイプを見る機会を得た。

ONKYO AIを搭載する車載用スマートスピーカーのプロトタイプ「VC-AX02」

 ポータブルスピーカーとしての外観はとてもまとまっているようにも見えたが、八木氏は「車載タイプのスピーカーについては、置き方やサイズなど、これから検討すべき事項がまだ沢山残っている」と開発がまだ道半ばであることを強調していた。確かに現物を手に取ってみると、このスピーカーを車のコンソールにポンと置いて使うのはやや難しいように思える。固定する方法を見つけなければならないし、自車の走行音も含めた騒音が飛び交う車の中、正確にボイスコマンドをピックアップするためにはプラスαの仕掛けもほしい。

 だが一方では「車載用スマートスピーカーの理想型」を思い描くための“たたき台”として、このタイミングでプロトタイプを形にしてみせたオンキヨーの挑戦はとても大きな意味を持っていると思う。音声によるハンズフリー操作は車載用のエレクトロニクス機器と非常に相性が良く、ドライバーの安全を高めることにおいてはプラスの効果を発揮することは間違いないからだ。本機については2019年に販売を開始する見通しも示されているので、これからの動きに注目したい。

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