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子どもの靴をIoT化 人混みでも迷子にならない「MONKEY KID SENSOR」シリコンバレー式「時短育児術」

» 2018年05月26日 08時00分 公開
[近藤奈都美ITmedia]

 デパートに長時間滞在すると必ずと言っていいほど耳にする迷子のお知らせ。子どもも好きで迷子になっているわけではありませんが、離れれば不安で泣いてしまうし、親としても万が一のことを考え冷や汗が止まりません。楽しいはずのお出掛けが、一瞬目を離した隙に……なんて経験をした人も少なくないはず。息子が歩き回る年齢になり、私も日頃の買い物でも彼から目を離さないことに手いっぱいなのが現状です。迷子を未然に防いでくれるものがあれば、どんなに便利で安心できるだろう――。そんな母親の思いに応えてくれるアイテムを見つけました。

連載:シリコンバレー式「時短育児術」

子育てに関する負担をITで解消する「Baby Tech」。シリコンバレー在住の女性筆者が、“母目線”でぐっときたテクノロジーを紹介していく。

著者プロフィール

近藤奈都美(こんどう・なつみ)

日本でIT専門商社に勤務した後、結婚を機に渡米。現在はシリコンバレーで一児の母として主婦業を行う一方、テクノロジーを使って効率的な子育てを目指す“母目線”の情報メディア「Babyful.jp」を運営するなど、「時短育児」を軸に情報発信している。

(本記事は、「Babyful.jp」に掲載された記事を一部加筆・編集して掲載しています)

 それは「CES 2018」で出会ったTwinTechの「Monkey KID Sensor」。Bluetooth 4.0を搭載し、接続したスマートフォンで子どもとの距離をモニタリングできます。

photo 「Monkey KID Sensor」

 腕時計タイプのアイテムが多い中、この製品が他と違うポイントは靴に装着するタイプという点だと思います。TwinTechのKim Gavin CEOにもインタビューさせて頂きましたが、母親目線で子どもの動きをいかに邪魔しないようにするかにこだわり、靴に装着させるというアイデアを思いついたとか。

photo MONKEY KID Sensorを靴に装着した様子
photo Monkey KID Sensorの裏側。2つの穴に靴ひもを通して固定する

 子どもの位置をトラッキングするアイテムにはBluetoothではなくGPSを搭載したものもありますが、「屋外と比べて屋内では正確な位置情報をタイムリーに得るのが難しい」「モバイル通信のためにSIMカードが必要で月々の利用料金がかかる」といったデメリットがあります。BluetoothはGPS(+モバイル通信)と比べると通信距離が大きく制限されますが、親子で一緒にお出掛けする分には問題なく、GPSを使ったものよりも安価に利用できます。

「MONKEY KID SENSOR」の使い方

 スマホに「Monkey KID Sensor」のアプリ(iOS)をインストールし、子どもが自分から離れたらアラートを出す距離の設定をします。Kim CEOによると「シンプルに使ってもらうために、設定は『ルース』『タイト』『マニュアル』の3つのセッティングにしています」とのこと。

 ルースは大きな公園や大きい子ども向けに約50メートル離れたらアラートを出す設定。タイトはショッピングセンターやテーマパークや人が多いところでの使用を想定し、約5メートルでアラートを出す設定。マニュアルでは自分で適当な距離を設定できます。

photo アラートを出す距離の設定画面

 電源のオン・オフは表側の中心部を押すことで切り替えられるようになっています。電源をオフにせず使い続けた場合、バッテリーの持続時間は約4カ月とのことですが、電池交換ができず使い捨てのため、個人的には必要な時に電源を入れるようにするのをお勧めします。

photo イラストの真ん中部分を押すと電源が切り替えられる

 週末のコストコ(米国の量販店)で実際に使い心地をテスト。「タイト」設定で私が端末を身につけ、夫にモニタリングしてもらいました。端末には私の名前をつけています。

 モニタリングしている端末との距離が離れてくると、アプリ上でその端末が黄色に色づけされます。設定距離内なので、この時点ではアラートはあがりません。設定距離よりも離れると端末の色が赤になり、見失ってから何秒経過したかカウントを開始します。アプリを閉じていても、アラートは通知されます。

photo 設定距離(タイトの場合は5メートル)を越えると赤色表示になりアラートが出る。同時に経過時刻をカウントし始める

 Bluetooth接続が途切れてしまった時にもアラートが出ることがあり、その点は少し紛らわしいのですが、混み合ったデパートへ買い物に行く際や、遊園地へ遊びにいく時などは特に活躍してくれるのではないかと思います。Kim CEOも現状1番問い合わせが多いのは「ディズニーランド旅行を計画中の家族」と話していました。

photo Kim Gavin CEO。ラスベガスで開催された「CES 2018」にて

 Monkey KID Sensorの値段は39ドル。現在はアメリカ国内のみの販売ですが、イギリスやヨーロッパでの販売も予定しているほか、日本での販売も視野に入れ、販売に必要なTELEC認証(技適)を取得している最中とのことです。

 販売されたら「子どもを探し回って1日が終わってしまう……」なんてことが起きない日々の安心アイテムの1つとして、取り入れてみてはいかがでしょうか。

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