ピクシブの重松裕三氏(クリエイター事業部 部長)は「(pixiv PAYのような)アプリを広めるには、多くの人が同時に使っている状況を意図的に作らなければならないと思った」と話す。
ピクシブがpixiv PAYを開発したのは2017年8月だが、今回のイベントでは来場者の多くが初めてpixiv PAYを利用したという。重松氏は「例えば『コミケでpixiv PAYを使ってください』とお願いしても、導入のハードルがある。現金を使いたい人もいるので、なかなか普及するのは難しい。まずは小さなイベントで、全員が使っているという状況を作りたかった」と話す。
イベントの来場者は当初見込んでいた3000人を上回った。「思いのほかスムーズに使ってもらっている。今のところは大きなトラブルもなく、『素早く決済できた』という声もいただいている」(重松氏)
一方、初めてpixiv PAYを使う人が多かったためか、入り口付近の総合受付には「使い方が分からない」「間違って支払ってしまった」などの問い合わせにくる人も見られた。
重松氏はpixiv PAYの機能拡充を検討していると話す。将来的には「売り手側が在庫数を登録できる機能」や、買い手があらかじめ買いたい物を申請して決済を済ませておき、会場では引き取るだけにする「取り置き機能」などの導入を考えている。年齢確認機能など、ユーザーから要望のある機能も検討する。
ちなみにpixiv MARKETの出展者の多くは男性向けサークルで、来場者も男性が多かったという。「普段pixivの利用者は女性が多く60%くらいを占めるが、今回は男性向けサークルが多かった。4月に行われた『技術書典』という技術書のイベントなど、男性の来場者が多いイベントでpixiv PAYは利用される傾向にある。男性の方がキャッシュレス決済への関心が高いのかもしれない」(重松氏)
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