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光ファイバーでアンテナいらず フレッツ・テレビが新4K8K衛星放送に対応

» 2018年07月12日 16時09分 公開
[ITmedia]

 スカパーJSATとNTT東西地域会社は7月12日、年末に放送が始まる「新4K8K衛星放送」に「フレッツ・テレビ」が対応すると発表した。まず放送開始に合わせてBS右旋4K放送を、2019年夏以降にBS/110度CS左旋4K/8K放送を提供する。NHKの8K放送を含む10チャンネル以上が追加される。

スカパーJSATの取締役執行役員副社長の仁藤雅夫氏。手に持っているのが左旋受信専用アダプター

 フレッツ・テレビは、家庭用の光ファイバーを用い、波長多重によりテレビ放送を伝送するサービス。インターネット接続(IP通信)とは別の波長の光を使うため、通信の帯域を圧迫しないのがメリットだ。またONU(光終端装置)に専用アダプターを接続する必要はあるものの、その先は一般的な同軸ケーブルとなるため、ユーザーはアンテナで受信する場合と同様にテレビやレコーダーをつなぐだけで視聴できる(新4K8K衛星放送対応チューナーは必要)。

フレッツ・テレビで使用するONU(光終端装置)。背面にRF端子がある

 フレッツ・テレビは現在、NTT地域会社のほか、光コラボレーション事業者と呼ばれる協力会社のNTTドコモ(ドコモ光テレビオプション)とソフトバンク(ソフトバンク光テレビ)のサービスを合わせて約221万世帯が利用している。また提供可能なエリアは26都道府県(一部のみの提供を含む)、約3000万世帯と国内全世帯の約6割をカバー。左旋円偏波の採用で受信のハードルが上がった新4K8K衛星放送が視聴者を増やすための重要な手段になるという。

 「既存の221万世帯は専用アダプターを追加すれば、宅内設備の改修は必要なく、新4K8K衛星放送を見られる」(スカパーJSATの仁藤副社長)

BS17chで実施している8K試験放送を受信中
8K試験放送(BS17ch)を用いた周波数変換パススルー受信デモシステムの説明。本来はONUから直接テレビに接続できるサービスだが、8Kを含む左旋円偏波のチャンネルは、効率化のため光伝送時は周波数帯を移動させる。それを戻すのが専用アダプターの役割
専用アダプターとその背面

 「テレビ視聴サービス」利用料金は、12月から既存ユーザーも含めて90円値上げの月額300円(税別)になる。「フレッツ・テレビ伝送サービス利用料」など付随する利用料金は提供事業者によって異なるが、NTT東西地域会社の場合は現在の450円を維持する。このほか、左旋放送を見る場合には19年夏に提供予定の「専用受信アダプター」をレンタルする必要がある。レンタル料金は未定だが、仁藤氏は「サービス料金、伝送サービス料金と合わせて月額1000円以内に収まるようにしたい」と話していた。

同時に発表された料金の改訂内容(NTT東日本)

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