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シャープ、初の8K対応テレビ「AQUOS 8K」発表――70V型で100万円

» 2017年08月31日 18時13分 公開
[ITmedia]

 シャープは8月31日、世界初の8K対応テレビ“AQUOS 8K”の70V型「LC-70X500」を世界同時に発表した。2018年12月にNHKが開始する「8K実用放送」に先駆け、日本では2017年12月1日に発売する。価格はオープンプライス。店頭では100万円前後になる見込みだ。

世界初の8K対応テレビ“AQUOS 8K”

 フルハイビジョンの16倍となる約3300万画素(7680×4320ピクセル)の高精細な液晶パネルに直下型LEDバックライトを組み合わせたテレビ。解像度の高さとそこで生まれる階調差により、ハイビジョンや4Kでは表現できなかった、「まるで実物が目の前にあるような“臨場感”と“実物感”、そして奥行きや膨らみまで感じられる“立体感”をリアルに感じ取ることができる」(同社8Kエコシステム戦略推進室長の西山博一氏)としている。

 8K実用放送に対応したチューナーは開発中のため搭載していないが、シャープでは放送開始前に合わせて「8K放送対応受信機」を発売する計画だ。これを接続することで8K放送を視聴可能になるが、受信機の価格については現在のところ「未定」だ。

「8K放送対応受信機」を接続するための入力端子。HDMIケーブル4本で接続する

 もちろん現行のデジタル放送やUltra HD Blu-rayなどを8K解像度にアップコンバートする機能も搭載。色再現範囲を拡大する「リッチカラーテクノロジープロ」、LEDバックライトの部分制御を行う「メガコントラスト」技術などにより、現在のテレビ番組やビデオディスクも臨場感のある映像で楽しめるとしている。HDRはPQカーブ方式とHLGの両方をサポートした。

 さらに高い解像度を生かし、4K解像度を超えるような写真データもそのままのサイズで表示できるとアピール。JPEGデータは背面のUSB端子経由で再生できる。

スタンド部
シャープTVシステム事業本部副事業本部長の喜多村和洋氏

 シャープは液晶パネルの開発からテレビの製造まで自社ですべて対応できる強みを生かし、他社に先駆けて8Kテレビを投入する。しかし、その目的は単なる先行者メリットではなく、パートナーとの協業も含めた8Kエコシステムの構築と8K市場の急速な立ち上げだという。「8Kは放送に止まらず、さまざまな分野の業務用途など多くの可能性を持っている」(西山氏)

 またシャープTVシステム事業本部副事業本部長の喜多村和洋氏は、4Kテレビ普及の経験を元に、8Kテレビの浸透は従来以上に早いと指摘。ワールドワイドの“目標”として、「2020年度に60V型以上のテレビ(出荷台数)の半数を8Kに変える」と意気込みを語った。

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