ネット炎上対策会社MiTERUを立ち上げたネットウォッチャーのおおつねまさふみ氏と、吉本興業に35年間在籍し、数々の謝罪会見を取り仕切ってきた経験から「謝罪マスター」の肩書きを持つ竹中功氏。ネットとリアルの2つの世界をよく知る2人がネットとリアルのメディア特性、私設警察やマウンティングなど、多岐にわたるテーマについて語った対談を3回に分けてお届けする。第1回は謝罪会見の心得、2回目はインターネットというメディアの特性、3回目の今回は、「私設警察」「マウンティング」が溢れ、ネガティブな意見が増えたように感じる理由について。
おおつね ネットには通称「私設警察」っていうのがあるんですよ。例えば小池都知事がリオオリンピックの閉会式に和服を着て出たんですけど「あの服の着方は帯の止め方がおかしい」とか「あのシチュエーションでそんな留袖はおかしい」とか。それが「和服私設警察」です。いわば和服マウンティングですね。
竹中 マウンティングね。よくネットで聞きますね。
おおつね そういうのって、昔はテレビを見て次の日オフィスとかで「小池都知事のあの和服の着方は駄目だよね」って話題にする程度で済んじゃってた。ところがネットにはパワーがあるから「和服私設警察」が何か意見を言うと、和服にそれほど興味がない人も含めて、みんなそれを知ることができるっていう状況ですね、いまは。
竹中 せいぜい家庭でとか喫茶店で話題にするぐらいのもんですけどねえ。ネットやと、ちょっと自分も意見言いますもんね。
おおつね 当の小池都知事本人からすると、今までそんなこと聞いたことなかったのに、ちょっと頑張って和服着て出ただけで何十万人という人から非難がわーっと殺到しているよう見えるわけですよ。その立場の人からすると「ネット怖い」ってなりますよね。
竹中 そうですよねえ。
おおつね でも、みんなのやってることは20年前30年前とたいして変わらないんです。それをスマホに打って不特定多数の人に発信したか、友達同士で喋ったかの違いだけであって。それが大きな違いではあるんですけど。
竹中 そういう意味では、もう気にする気にしないもその人の勝手でいいんですかね。「何かあっても気にしないでいいよ」って言うてあげたらいいと。
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