赤松さんによると、実業之日本社から過去作品を電子化したいという相談を受けたことが実証実験のきっかけだったという。「電子化したくてもお金がないと相談された。リクープできない作品を出版社で電子化するのは難しい。それなら合法的な漫画村を作り、市民からの投稿を合法処理していけばいいのではないかと思った」(赤松さん)
さらに「最近の小学生は漫画の読み方が分からないという都市伝説などもあるが、漫画は需要のある娯楽だと分かった。正しくもうけられないか、適切なマネタイズを検証するための実証実験だ」と続けた。
講談社の森田浩章取締役(Jコミックテラス社外取締役)は、「作家たちが命を削って書いてくれた作品を泣く泣く絶版にしているのが版元の本音。マンガ図書館Zは、絶版書物やクリエイターを救ってくれるシステム」と期待を寄せる。
赤松さんは「究極の目標は、(マンガ図書館Zを)全ての漫画が読める場所にすること」と話す。今回の実証実験を機にいろいろな出版社の絶版作品を集めるだけでなく、週刊少年ジャンプ、週刊少年マガジン、週刊少年サンデーといった少年誌がTOPページに並ぶようにしたいという。「今発売中の少年誌を読むのは有料サービスになると思うが、それも実験中。漫画村がやっていたことを全部やりたい」(赤松さん)
単に作品を集めるだけでなく、OCRによる画像データとテキストデータ(せりふ)の収蔵や、自動翻訳と自動彩色による海外市場へのアピールなども行い、最終的にこれらのシステムを国会図書館に採用してもらうことを目指しているという。
「最終的に国会図書館に当管理システムが採用されれば、あらゆる作家が潤う。そうすればネットの海賊版は全滅する」(赤松さん)
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