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「ネットマナー守って」の難しさ 今のSNSが生きづらいワケITりてらしぃのすゝめ(2/3 ページ)

» 2018年08月16日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]

 特にTwitterやFacebook、InstagramなどメジャーになったSNSに関しては「見られたくない人に見られていること」を意識しないといけない時代になったといえます。そこに、ローカルルールともいえるマナーは押しつけられないでしょう。友達に向けて「明日から夏休みで1週間ハワイだ!」と書く人も、自宅は1週間誰もいませんと泥棒に教えたかったわけではないでしょうし。

ネットが生きづらい時代

 自分で書いていても煩わしくなってしまいますが、実際にそれは現実の事件としても表面化してしまっています。特に、有名人においては。

 マーベルヒーローが登場する「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」という映画をご存じでしょうか。重くなりがちなアメコミ映画の中で、軽妙なギャグと本格的なアクション、そしてノリノリの音楽で、この手の映画が苦手な人に強くお勧めしたい作品です。

SNS

 監督はジェームズ・ガン氏。この作品は続編含め、監督の手腕が大変大きいと感じています。この人の作品をもっと見たい……と思っていたのですが、大変な事件が起きてしまいました。元凶はやはり「SNS」です。

 ガン監督は10年近く前に、確かに不適切な投稿を行っていました。それが今になって、政治的な理由で掘り返されたのです。

 ディズニーは以前、親トランプ派の女優ロザンヌ・バーが投稿したたった1つのツイートが原因で、大人気ドラマを即座に打ち切るという判断を下しています。ガン監督は反トランプ派ながら、親トランプ派による掘り返しのせいで、結果としてロザンヌ・バー同様、今後のマーベル映画製作から離れざるを得ない状況になりました。

 これを「10年前だから大目に見ろ」と言いたいわけではありません。「見られたくない人の目に触れるかもしれないけど、投稿したい」という気持ちは、立派な“人間の脆弱性”ともいえるものになったのです。

 似たような話は日本国内でも多数発生していて、テレビアニメ化が中止になった作品も。SNSがきっかけで炎上する事例はこれまでも多数存在していたものの、ガン監督の件については、悪意を持って過去を掘り起こして炎上させたという点で、少々毛色が違う問題のような気がしています。とはいえこれも、私が思うマナーレベルのものかもしれません。

怒りを覚える前に、「フィルタリング」を駆使せよ

 ネット上、特にSNSにおいてはさまざまな炎上が起きています。が、そのほとんどは遠い場所で起きたお話で、当事者になっていることは少ないでしょう。そういった、自分と無関係なことに関しては距離を置くことも重要です。

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