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アナログ時計とタッチ液晶を組み合わせたスマートウォッチ「ZeTime」実機レビュー スイス生まれの実力は?(1/2 ページ)

» 2018年08月31日 08時00分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 デジタルに融合するアナログ針のギミックがユーザーの所有欲を満たす──。そんな魅惑のスマートウォッチが登場した。アナログ針と円形の液晶タッチディスプレイを組み合わせた「ZeTime」(ザタイム)は、2017年に米国のクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で6億5000万円以上の出資が集めたハイブリッドスマートウォッチだ。スマートウォッチの弱点とされる“バッテリーのもち”をアナログ針で補うユニークな製品で、日本でも7月末から正規代理店が販売を始めた。価格は2万3800円(税別)から。

photo 一見すると普通のアナログウォッチだが……

デジタルとアナログのハイブリッドスマートウォッチ

 ZeTimeは一見するとシンプルなアナログウォッチに見えるが、その正体はスマートフォンと連携する正真正銘のスマートウォッチだ。丸い液晶ディスプレイの上に、機械式のアナログ針とタッチパネルを重ねた多層構造によって、盤面を覆うサファイアガラスに触れるとタッチ操作が行える。

photo 盤面がディスプレイのハイブリッドスマートウォッチ

 1回の充電で、液晶に情報を表示するスマートウォッチ機能は3日間、時刻を表すアナログ針は30日間動作するという。万が一、長時間充電できない環境下でも普通の時計として使えるのが売りだ。

 ZeTimeを使うユーザーであれば、誰もが周りに見せびらかしたくなる機能がある。液晶の表示内容によってアナログ針が水平に整列する「スマートムーブメント」機能だ。例えば、受け取った通知一覧を表示すると、長針が3時、短針が9時に場所にスッと移動する。液晶とアナログ針が重ねて配置されていても視認性が落ちないスマートな工夫といえるだろう。

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 通知を確認して表示内容を閉じると、アナログ針は本来の時刻を指し示す場所に戻る。このギミックがなんとも面白い。意味もなく通知を表示させてはアナログ針が移動する様子を見てしまう。単にアナログ針をディスプレイに重ねただけではなく、製品の魅力として昇華させている点に好感が持てる。このスマートウォッチの最大の魅力だ。

 タッチパネルに加えて、本体右側面に搭載する3つのボタンとりゅうず(デジタルクラウン)でメニューを操作する。

photo りゅうずは回転するだけでなく、押し込めるボタンでもある

 正面から見て右上のボタンは「ディスプレイの点灯/消灯」または「時計画面に戻る」、右下は「戻る」、りゅうずを2度押しすると「どの画面でもアナログ針を横一直線の状態」に動かせる。

 さらに時計を表示させた状態で画面を下から上にスワイプすると通知を表示、上から下ではメニューの一覧その1、右から左でメニューの一覧その2、左から右でアクティビティートラッカーのデータを表示できる。りゅうずを回すとメニューを直感的に上下移動できるが、インタフェース全体として見ると、操作を覚えるまでは少々分かりづらいというのが正直なところだ。

 時計の盤面は、スマートフォンアプリでプリセットされた24種類から選んで切り替えられる他、好きな画像や文字板(ダイヤル)を組み合わせてオリジナルデザインも簡単に作れる。

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 本体のバリエーションはシリコンバンドの「ZeTime」(2万3800円)、レザーバンドの「ZeTime Premium」(2万7880円)、メタルバンドの「ZeTime Elite」(2万9880円)。いずれもRegular(44ミリ)とPetite(39mm)の2サイズを用意する。

photo 左からシリコンバンドの「ZeTime」、メタルバンドの「ZeTime Elite」、レザーバンドの「ZeTime Premium

 時計本体はステンレススチール製で、高級腕時計にも採用される傷に強いサファイアガラスを同じく採用。5気圧防水にも対応するため、日常生活で水ぬれを気にする必要はないだろう。充電は接触式で、専用の磁気チャージャーとmicroUSBケーブルが付属する。

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独自OSだが、心拍数から睡眠の記録まで充実の機能を搭載

 スマートウォッチといえば「Apple Watch」やOS「Wear OS by Google」搭載スマートウォッチが主流だが、ZeTimeは独自OSを搭載し、専用アプリ(iOS、Android)と連携する。今回はAndroidとペアリングして試用したが、電話の着信やメール、カレンダー、LINE、Twitter、Facebookなど、スマートフォンで受信した通知はそのまま表示できた。通知されるタイミングも、同時にペアリングしていたWear OS搭載のスマートウォッチと遜色ない。アプリ個別で通知を除外する機能も備えている。しかし、肝心の“あの機能”には対応していない。

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