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これがソニーの高級ポータブル、IFAでオーディオ新製品続々IFA 2018(1/2 ページ)

» 2018年09月03日 10時08分 公開
[山本敦ITmedia]

 ソニーは、ベルリンで開催しているエレクトロニクスショー「IFA 2018」(8月31日〜9月5日)に大規模なブースを構え、信号処理能力を従来機の4倍に引き上げたというワイヤレスヘッドフォンやウォークマンの技術を応用した高級オーディオプレーヤーなど、さまざまな新製品を披露した。中には欧州で販売予定のない参考出品の形でベールを脱いだ製品もあったが、ほとんどは2018年後半に欧州で発売する計画で、例年通りなら日本でも同時期に店頭に並ぶはずだ。

「IFA 2018」のソニーブース

4倍の信号処理能力を得たノイズキャンセリングヘッドフォン

 デジタルノイズキャンセリング機能搭載のワイヤレスヘッドフォンでは、「1000X」シリーズの新製品となる「WH-1000XM3」が登場。9月以降に欧州各地域で順次予定で、価格は380ユーロ(4万9000円前後)になる見込みだ。

デジタルノイズリダクション+Bluetoothワイヤレスヘッドフォンの新製品「WH-1000XM3」

 大きく進化した点の1つは、初代「MDR-1000X」から特徴として掲げてきたデジタルノイズキャンセリング技術だ。ソニー独自のノイズキャンセリングプロセッサ「QN1」は、従来モデルに搭載されていたチップよりも信号処理性能が約4倍高く、特に人の声を中心とした消音性能がアップしているという。

開幕前に行われたプレスカンファレンスでは、ソニービデオ&サウンドプロダクツの高木一郎社長が、1000XM3に搭載されるノイズキャンセリングプロセッサ「QN1」を紹介した

 ハイレゾに迫る情報量を伝送できるBluetoothのコーデック、LDACとaptX HDに対応する他、ソニー独自のアップスケーリング機能「DSEE HX」も引き続き搭載された。もちろん付属のケーブルでハイレゾオーディオプレーヤーに有線接続すればハイレゾ再生が楽しめる。

 外見は現行モデルの「WH-1000XM2」とよく似ているが、パーツの見直しなどにより本体の重量を約20グラム計量化。イヤーカップの構造、イヤーパッドの素材を改良して装着性を一段と洗練させた。頭部にぴたりとフィットするスリムなシルエットに形状を改良している。

 内蔵バッテリーはクイックチャージ機能に対応。1.5ボルト以上の充電器を使用すれば、約10分の充電で最長連続5時間の音楽再生が可能だ。フル充電からの最長連続再生は約30時間を現行機種と同等になっている。

ウォークマンで培った技術を投入した超弩級プレーヤー

 8月の「香港AVショウ」で披露され、話題になった「Signature Series」のデジタルオーディオプレーヤー「DMP-Z1」は欧州でも発売されるようだ。DMP-Z1は、ウォークマンの開発で培った技術を投入したという据え置き型の音楽プレーヤーで、想定価格は8500ユーロ(約110万円)のハイエンドモデル。12月以降、イギリス、フランス、ドイツから販売を開始する。

Signature Seriesから登場するデジタルオーディプレーヤー「DMP-Z1」

 外形寸法は約138(幅)×68.1(高さ)×278.7(奥行き)ミリ、質量は約2.5キログラム。サイズからして“ポータブル”ではないが、本体にバッテリーを内蔵している。ただし、これはあくまで最高峰の音質を追求して、外部ノイズの影響を受けにくいバッテリー駆動を選択したためだ。AC電源も利用できる。

 内部パーツは、据え置きタイプのハイエンドコンポーネントオーディオに引けを取らないぜいたくな構成。DACにはAKMの最新チップ「AK4497EQ」を用い、アナログボリュームはソニーのカスタムメイドだ。音声出力は4.4ミリ5極のバランス接続と、3.5ミリのヘッドフォン出力(アンバランス接続)を1系統ずつとシンプル。余計な機能を徹底して省いたこだわりの仕様だ。

 ハイレゾは11.2MHzのDSDファイルのネイティブ再生のほか、WAVも最大384kHz/32bitまで対応する。リニアPCMのハイレゾ音源を5.6MHzのDSDに変換再生する「DSDリマスタリングエンジン」や、アップサンプリングとビット拡張を駆使してCD音源などをハイレゾに近い情報量に拡張して再生する「DSEE HX」ども完備。内蔵バッテリーによる音楽再生は、96kHz/24bitのFLACファイルで約9時間。ストレージは256GBの内蔵メモリーのほか、microSDカードを2枚まで装着できる。

 操作は天面に搭載する3.1型の液晶タッチパネルで行える。アルミニウムの豪快なシャーシが高級感を漂わせる、見た目にもインパクトの大きな製品だ。

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