「運がよかった」 “AIが考えた”日清の新商品 甘くない開発の舞台裏(1/2 ページ)
とろみのあるカレーを頬張ると、甘酸っぱいトマトとチキンのうま味が口の中に広がり、ガーリックとジンジャーのスッキリとした味が後を引く――そんな日清食品の「カレーメシ」新商品(9月3日発売、税別220円)は、AI(人工知能)を駆使して生まれた一品だ。約2400万通りの食材の組み合わせから、AIがレシピを選定した。
「話題性のあるAIを食と組み合わせれば、面白い商品ができるのではないか」――日清食品の金子大介さん(マーケティング部 第7グループ ブランドマネジャー)は、開発当初そう考えていたという。
しかし、実際はそんなに甘くはなかった。商品開発は約7カ月に及び、その間、AIからは「とんでもないレシピ」も飛び出したという。金子さんが「危うかった。運がよかった」と振り返る開発の舞台裏を聞いた。
AIがレシピを選定、仕組みは?
カレーメシは、お湯を注いで5分間待ってからかき混ぜると、とろみのあるカレーが完成する“カップメシ”。これまでに「カレーメシ ビーフ」「カレーメシ シーフード」「ハヤシメシ デミグラス」「キーマカレーメシ スパイシー」を発売した。ラインアップを拡充する中で、金子さんらが着目したのがAI技術だった。
新商品は、まず手本となるターゲットメニューを探し出し、その味を再現しながら商品化していく。このターゲットメニューを決める方法として、AIを活用することにした。新商品の方向性は(1)それまで発売したカレーメシとは“距離がある”味、(2)カレーメシのファンだけでなくカップヌードルなどのファンも好む味――だった。
ただ「(AIなどの)テクニカルな知識は持ち合わせていなかった」(金子さん)ため、外部のデータサイエンティストが開発に協力した。
手順はこうだ。まず、外部企業が提供する消費者の購買データから、カレーメシなどインスタント食品を購入している(もしくは購入しそうな)人と、そうでない人を抽出した。大手レシピサイトとも連携し、彼らが普段どんなレシピを閲覧しているかを分析。各人が閲覧しているレシピには、1人前当たり小麦粉が平均●●グラム、卵が平均●●個入っている――と割り出しておく。
その上で、購入している(しそうな)人とそうでない人が混ざった状態から、両者をきれいに分けられる条件を探す。例えば「小麦粉を平均●●グラム以上使っているか」「卵は●●個以上」「トマトは●●個以上」というような条件だ。
こうした条件の組み合わせによって両者を二分できると、それらの条件がそのまま食材の組み合わせ(レシピ)になる仕組みだ。条件の抽出には、複数のAI技術を用いたという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
OpenAI、数学者の独立諮問グループと連携 内部モデルは「100件超の未解決問題を解決」
-
2
Google、「Googlebook」の予約受付開始 899ドル(約14万円)から
-
3
YouTube、収益化基準を2027年に大幅引き上げへ 新規参加条件が従来の2倍に
-
4
OpenAI、フロンティアAIの国際標準づくりを米国主導で進めるよう提言 「RSIはまだ起きていない」
-
5
“自動で耳コピ”アプリ、ヤマハが無料公開 音源読み込み→3分でピアノ譜に
-
6
FANZA、成人向けAI創作・公開サービス「FANZAスタジオ」発表 先行体験は8月24日から
-
7
経営「AIでラクして早く帰って」→社員「帰らない」 工数最大9割減のDeNAも悩むAI効率化の壁
-
8
今度は“ディスプレイなし”のAIグラス、「Rokid Ai Glasses Style」を試す
-
9
新作「鬼武者」にハマったマンガ家が熱弁する、他とは違う“パリィ”の魅力とは?
-
10
Amazon、MetaのAIエージェント「Muse」による代理購入をブロック Shopifyは全店舗で対応へ
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR