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芥川賞作家・羽田圭介さんが説く「投資の思考回路」の作り方若いうちから少しづつ投資すべき理由(2/3 ページ)

» 2018年10月09日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

投資の思考回路ができていたので、大金が入ってきても慌てなかった

 iDeCoから入って、投資信託、ETF、そして米国個別株と次第に投資を高度化していった羽田さん。ただし、投資経験を重ねる中で、配当が高いのは株価が安いということでもある、ということに気づいていったという。配当は、株価に対して何パーセント出るかを見るが、配当額が同じでも株価が下がり続けているならパーセンテージは高くなる。配当が5%出ても、株価自体が10%下がったら損をしてしまうというわけだ。投資先の企業を調査して、株価が今後どうなるかを考えるのはたいへん難しかった。

 ただし、こうした投資をやっておいたことが、その後役に立ったと話す。

 「芥川賞を受賞したら一気にお金が入ってきた。銀行に行ったら、個別の窓口に移動させられて、こういう投資商品を買いませんか? と言われました。ここで何も知らなかったら、なにか資産運用しなくちゃいけないのかしらと思って、銀行にむちゃくちゃ手数料を取られる商品を買っていたかもしれない。株式投資をやっていてよかった」

 投資の思考回路ができていたために、銀行や証券会社が勧める投資について自分なりの判断ができた。

 「ある程度資産が貯まってきたら、年5%運用でもけっこうな額になる。そういう思考回路を作っておくために、手間暇のかからない投資をやっておいたほうがいい」

 ただし、投資で生活するような幻想を抱かないほうがいい。世間には「資産を◯倍にした」「一かく千金」というような投資話があふれているが、それはごく一部の人の話だからだ。

 「デイトレードをしようと考えないほうがいいと思います。成功したごく少数の人の話を聞くと、そんなにもうかるんだと思うんですが、実際は失敗して消えていった投資家がほとんどなので」

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