「衣類をたたむのが面倒だ」「部屋を片付けられない」――そんな“ズボラな人”に朗報ともいうべきロボットが、家電やIoT機器の見本市「CEATEC JAPAN 2018」(10月16〜19日、千葉・幕張メッセ)に出展される。
ロボットメーカーのASTINA(東京都千代田区)が開発している「INDONE」(インダン)は、衣類を自動で折りたたみ収納するタンス型ロボット。CEATECに出展するプロトタイプは、乾燥済みの衣類を入れると、1分30秒ほどで折りたたむ。
折りたたむ機構の内容は、特許出願中のテクノロジーのため詳細は明かしていないが、「複数のロボットアームが折りたたむというよりは、衣類の生産工場のラインのようなイメージに近い」(同社)という。衣類の識別(Tシャツ、パンツ、靴下など)には、画像認識技術を利用している。
同様に衣類を折り畳むロボットでは、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ(港区)が「ランドロイド」を2018年度の発売を予定している(税別185万円)。これに対し、ASTINAは、価格を30〜40万円程度に抑え、2019年12月ごろの発売を目指すとしている。
AI(人工知能)ベンチャーのPreferred Networks(千代田区)は、散らかった部屋をロボットが全自動で片付けるデモンストレーションを公開する。カメラが付いたロボット(トヨタ自動車製)が、乱雑に置かれた洋服、玩具などを認識してつかみ、あらかじめ設定した場所に片付けていく。
ディープラーニングを用いた画像認識エンジンを開発した。会場ブースと同様の部屋をPreferred Networksの社内に設け、数百種類の物体を片付けさせながら学習させたという。その上で、それぞれの物体に「青いしましまの靴下」「茶色いマジックペン」といったタグを付け、片付ける場所を設定した。
物体をつかんでいるロボットに対し、人間が「それはごみ箱に」というように音声で指示を出し、片付け作業に“割り込む”ことも可能だ。ロボットが飲み終えたペットボトルなどを認識すると、捨てるかどうか、人間に尋ねる機能も設けた。
「人間が介入せずにロボットが動作するようにするのが1番難しい」(同社)。研究開発を続け、2020年代の実用化を目指すとしている。
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