この記事は認証セキュリティ情報サイト「せぐなべ」に掲載された「架空世界 認証セキュリティセミナー 第2回『架空世界で、かざして認証』」(2017年7月27日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。当時未発売だった製品やサービスの記述などは、本記事掲載時の状況に合わせて編集しています。
……それでは講義を始める。
今回は「所有物認証」について、架空世界の事例と絡めて紹介してゆく。まずは前回のおさらいから。
「認証」とは、「『誰か』あるいは『何か』が、特定のものであることを確認する行為や仕組み」のことだった。最も使われている認証方法の「IDとパスワード」は「知識認証」であり、前回、架空世界にある合言葉を例に解説したが、合言葉は他人に知られてしまうと容易になりすまされてしまうという課題があった。ここまでは覚えているだろうか?
そこで今回は異なる仕組みで認証する「所有物認証」を紹介する。さて、「所有物認証」とはなんだろう。字を読む限り所有物、持っているもので認証をするということだが……。
実はあまり難しく考えなくても良い。君たちの家の扉を開ける鍵が「所有物認証」の典型的な例である。こうした「鍵と錠前」を使うシーンは架空世界にも多数登場する。
この講義では、もうちょっとひねった事例を取り上げよう。キーワードは「かざす」。今回紹介する最初の架空世界は「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」だ。
まずは基本データから紹介していこう。2017年3月に発売された家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」と同時に発売となったソフトが「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」。つい最近のゲームだからご存じの方も多いのではないか?
いつものゼルダ姫を救出し、宿敵ガノンを倒すという骨子となるストーリーはそのまま、どこまでも広い世界を冒険できる「オープンエアー」というシステムで、自由度の高い行動ができる。近年の「ゼルダの伝説」シリーズにない大ヒットを飛ばしたタイトルだ。
ゼルダの伝説シリーズは大抵、「ハイラル」という地を舞台としているが、その広さや構造はまちまち。今回の「ブレス オブ ザ ワイルド」はなんと京都市内とほぼ同じ広さということで、その広さが想像していただけるだろうか。もちろん徒歩で走破するのはしんどいため、馬を捕まえて乗ったり、ワープしたりという移動手段も確保されているので一安心だ。
そして、見えるところであれば、どこへでもたどり着くことができるというのがオープンエアーというシステムの真骨頂。どこまでも山を登り、水を泳ぎ、木を倒し進めば、背景だと思っていた山頂や孤島にまで到達できるのだ。その風景を眺めるために、どこまでも探検したくなるものだ。
Nintendo Switch版だけでなく、Wii U版も発売されているので、まだ遊んでいない諸君は是非遊んでみてほしい。
ゲームメディア「IGN Japan」のレビューでは、めったに出ない最上位であるスコア10「マスターピース」を獲得している折り紙つきのタイトルである。
さて、今回のゼルダの伝説では、物語の始まり、長い眠りから目覚めた主人公リンクがすぐに手にする「シーカーストーン」という板状の石がある。
実はこの「シーカーストーン」、この架空世界における「スマートフォン」的な役割を果たすのだ。
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