米国の調査会社Gartnerが、世界96カ国3160人の企業CIO(最高情報責任者)を対象に行った調査「2018 CIO Agenda Report」(参考リンク)によると、「自社のビジネスを差別化するものとして最も重視している技術」としてAIを挙げたCIOは、全体の5%にとどまった。
優れた業績とIT活用を達成しているトップ企業(上位約6%)に限定すると、その数はわずか3%。ブームと呼ばれるほど盛り上がりつつも、そのビジネス上の効果はまだ実感できるレベルに達していないというのが、企業のAI導入をめぐる実情のようだ。
またGartnerは、今後AIに対する過剰な期待がはじけ、幻滅期に突入するだろうと予測している。
もちろん、AIがビジネスに恩恵をもたらさないという意味ではない。ゴールの設定と導入プロジェクトの管理、その後の運用・維持を適切に行えば、大きな価値を生み出してくれるはずだ。
それでは単に「ライバルに先を越されたくないから」「先進的な取り組みをする企業だと思われたいから」では終わらない、具体的な成果を実現するAI活用はどのように進めればいいのだろうか。AI初心者のビジネスパーソン向けに、企業におけるAI活用のイロハを紹介する本連載(全4回予定)を通して考えてみたい。
なお本連載で取り上げる「AI」は、「これまで人間のみが実行可能だった作業や、人間には不可能だった作業を、機械がデータに基づいて実行することを可能にする仕組み」と定義する。
ある日突然「AI導入について考えてくれ」と上司から言われたら、あなたの頭に最初に思い浮かぶのはどんなことだろうか。
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