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» 2018年12月21日 12時35分 公開

エンジェル投資家が「ホンダジェット」を買ったワケとは

「テレビコマーシャルを見て『これ欲しい』と思った」――小型ビジネスジェット機「HondaJet」の日本初顧客の1人となった千葉氏はこう話す。一般航空が根付いていない日本で、あえて“初物”に高額を投じた理由は。

[浅井英二,ITmedia]

 「テレビコマーシャルを見て、これ欲しい、と思った」──まるでオモチャを欲しがる少年のように話すのは、小型ビジネスジェット機、HondaJet Eliteの日本における最初の顧客となった投資家の千葉功太郎氏だ。12月20日の引き渡し式では、「やりたいこと? これに乗ってふらりと美味しいものを食べに出掛けたい」とも。

photo 引き渡し式の様子。左から2人目が堀江貴文氏、3人目が千葉功太郎氏、4人目が山岸広太郎氏

 しかし、芸術品のように美しく、素晴らしい上昇性能や燃費性能を誇り、小型ジェット機で納入機数が世界首位のHondaJetも、現在の日本では宝の持ち腐れになりかねない。飛行機をクルマのように自由に利用する「General Aviation」(一般航空)が欧米のように根付いていないからだ。

 「日本の空をもっとオープンにしたい」と、千葉氏はあえて元ライブドアCEOの堀江貴文氏やグリー共同創業者の山岸広太郎氏らを共同オーナーとして引き込む。インフルエンサーを増やし、飛行機を手軽に利用するライフスタイルをSNSやメディアを通じて発信していくのが狙いだ。

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「ドローン前提社会」の実現へ奔走

 コロプラで上場を果たし、投資家として活躍する千葉氏は、ある分野にこだわり、集中的に投資している。それが「空の産業革命」だ。

 2017年6月にドローン専業型ベンチャーキャピタルファンド「Drone Fund」を設立し、ドローンが当たり前のように飛び交う「ドローン前提社会」の実現を目指し、世界で戦えるドローン企業の育成に取り組んでいる。この夏には、みずほ銀行、KDDI、セガサミーホールディングスといった大手企業のほか、マブチモーター創業家、さらにはサッカー日本代表の本田圭佑氏が、初期投資家として参画する2号ファンドを設立し、最大で50億円を調達する。

photo 茨城県・龍ヶ崎飛行場で開催された2号ファンド発表会

 HondaJetの鍵を受け取った12月20日の夕方には、主要メンバーとして参画する経済産業省と国土交通省の「空の移動革命に向けた官民協議会」が「空飛ぶクルマ」の実現に向けたロードマップ案の取りまとめにこぎ着けた。同ロードマップ案は、垂直に離着陸するドローンなどによる身近で手軽な空の移動手段を実現するため、官民が取り組んでいくべき技術開発や制度整備についてまとめたもの。2019年に試験飛行や実証実験を行い、2023年には物流などを皮切りに事業を開始する目標を掲げる。

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 「都市間を小型ジェット機で飛び、都市内や地域内はドローンが担う新しい社会交通インフラを10年以内に実現するのがわたしの夢」と千葉氏。

 創業者、本田宗一郎氏の夢をかなえたHondaJetは、日本をはじめとするアジア地域での販売を開始し、世界展開に向けた大きなステップを踏んだ。

 「ドローンにとっても、きょうは重要な日。12月20日は日本における“空の移動革命 Day1”になると確信している」(千葉氏)

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