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» 2019年02月06日 07時00分 公開

これからのAIの話をしよう(ダジャレ編):AIがダジャレ判定→面白いと布団が吹っ飛ぶ “Qiita映え”バッチリ、話題のAI開発した若手チームを直撃 (1/4)

ダジャレを入力するとリアルに布団が吹っ飛ぶ装置が登場。AI(人工知能)がダジャレの面白さを判定する。

[松本健太郎,ITmedia]

 2018年に行われた漫才コンテスト「M-1グランプリ」は、いろんな意味で注目を浴びました。例えば「淡路島は私の庭」でおなじみの審査員・上沼恵美子さんが付けた得点が偏っているとネットでバッシングを浴びた事件です。

 漫才、コント、落語、バラエティ……さまざまな「笑い」の素養を持ったM-1の審査員が真剣に付ける得点だからこそ価値があると私は思います。むしろ他と比べて偏って当然です。もしそうしたバックグラウンドのないAI(人工知能)による自動判定だったら、どんなに無機質な大会になっていたことでしょう。

 そもそもAIは「面白さ」を判定できるのでしょうか? そんなことを考えていた所、AI系サービス開発を手掛けるブレインパッドの有志チームが、プログラマー向け技術情報共有サービス「Qiita」で、「おもしろいダジャレを入力すると布団が吹っ飛ぶ装置を作った」と題する記事を2018年12月19日に公開し、大きな話題を呼びました。

 手作り感あふれる装置の名前は「オフトゥンフライングシステム」。PCのWebブラウザ内でダジャレをテキスト入力すると、ダジャレ検知AIとダジャレ評価AIがそれぞれ動作し、入力したダジャレの点数が基準値を超えると畳の上に敷かれた布団が吹っ飛ぶ、というユニークな作品です。

 社外活動として集まった4人の開発チームで、約1カ月ほどで完成させたというオフトゥンフライングシステム。独特な装置はどういった経緯で生まれたのでしょうか。開発チームに取材しました。

AI ブレインパッドの若手データサイエンティストによる開発チーム。左から酒井裕企さん、藤田洸介さん、馬場はるかさん、中西有希さん

連載:これからのAIの話をしよう

いま話題のAI(人工知能)には何ができて、私たちの生活に一体どのような影響をもたらすのか。AI研究からビジネス活用まで、さまざまな分野の専門家たちにAIを取り巻く現状を聞いていく。

(編集:ITmedia村上)

“ダジャレ好き”な新人チームが集結

AI 藤田さんの「お笑い好き」がきっかけで今回のメンバーが集まった

 オフトゥンフライングシステムを作ったのは、ブレインパッドでデータサイエンティストとして活躍する藤田洸介さん、馬場はるかさん、中西有希さん、酒井裕企さん。藤田さんは布団を吹っ飛ばすエンジンとハードウェアの設計を担当し、馬場さんは裁縫力を生かして布団を制作、酒井さんがダジャレ判別AI、中西さんがダジャレ評価AIの開発をそれぞれメインで担当し、実装のアイデアは全員で出し合いながら作りました。

 Qiitaで記事を公開した藤田さんが社会人2年目で、その他は新卒のルーキーチーム。社外活動なので、毎日仕事終わりにコツコツと開発を進めたそうです。

 ブレインパッドがQiita内で公開している「AdventCalendar」内の企画の1つで、藤田さんは何を作ろうか悩む中で「お笑い」をテーマに何かを作ってみようと考えました。

 「私がそもそもの言い出しっぺ。1人で作るのは心もとないので、他の人を誘いました」

 そう語る藤田さんは、根っからのお笑い好き。「大学の卒論では笑いの好みの違いについて研究した」そうで、AdventCalendarの企画も自然とお笑いに目が向きました。

 「実は、有志でダジャレを投稿し合う社内の非公式Slackチャンネルがあります。思い付いたら投稿して、みんなで褒め合うというものです(笑)。それで、ダジャレとAIで何かできたら良いなと思うようになりました」(藤田さん)

 そこから「布団が吹っ飛ぶ機械」を作るという発想に至るまであまり時間はかからなかったようです。

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