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AIがダジャレ判定→面白いと布団が吹っ飛ぶ “Qiita映え”バッチリ、話題のAI開発した若手チームを直撃これからのAIの話をしよう(ダジャレ編)(3/4 ページ)

» 2019年02月06日 07時00分 公開
[松本健太郎ITmedia]

 確かに「新しいマスクをすぐに使いマスク?」と「家内は怒るとおっかない」のどちらがどれくらい面白いかと問われても返答に困ります。

 「多分、ダジャレって音と意味の両方が必要だと思うんです」と藤田さんは言います。

 「例えば“人民の人民による人民のための政治”というフレーズは、音としては繰り返しているけど面白さはなく、ダジャレとは言えません。そこで、なぜ面白いと感じないのかを理論付けないといけない。仮説ですが、お笑いは“常識からのズレ”だと思うんですよね。少し外れた奇抜さがダジャレらしさにつながる。それを評価するには、AIが常識を知っている必要があります。せめて単語の意味付けが必要ですが、今回はそこまで至りませんでした」(藤田さん)

筆者も「布団を吹っ飛ばす」に挑戦

 「私も布団を吹っ飛ばしたいです!」とお願いしたところ、快くOKを頂きました。

AI 布団を手縫いした馬場さん

 吹っ飛ぶ機械装置は、パーティーゲームとして人気の玩具「黒ひげ危機一発」を改造。内蔵したモーターをラズパイで制御します。まさに危機の機器といったところか。外側は段ボールでコーディング。ブレインパッドが社外活動する際の屋号である「白金鉱業」のロゴが輝いています。

 次に、機器の上に畳、敷布団、枕、掛け布団がセットされます。布団は、Qiita内で「裁縫力の高いデータサイエンティスト」として紹介されていた馬場さんの手縫い。「丹精込めて夜なべして作りました。作るのに2回ぐらい失敗しているんです」(馬場さん)。掛け布団はカバーがかかっていて、レースも付いている。実家の布団ってこんな感じだったなと感傷に浸ってしまいました。準備が整ったところで、私は渾身のダジャレを口にします。

 「新しい棚、使いやすくて良かったな」

 藤田さんは「どこかで聞いたことあるような……」という顔をしながら、PCで渾身のダジャレを入力し、いよいよ審査が始まります。

AI 飛ばない布団

 ……布団は吹っ飛びません。

 実は、ダジャレを入力してから布団が吹っ飛ぶ出力まで20秒ぐらいかかるそうです。ディープラーニングの処理自体が重いのもありますが、ラズパイ上での処理に意外と時間がかかっているのだとか。

※編集部注:バグを修正した結果、現在は1秒以内に吹っ飛ぶようになっているようです。

 中西さんによると「布団が飛ぶときは、何の前触れもなく突然飛びます。面白くなかったら飛ばないので、ずっと布団を見つめていることもある」ようで、どんな地獄絵図だと突っ込まざるえません。

 すると、機械からシューッという音が。

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