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「えげつない」 Amazon、1%ポイント付与を“強制” 出品者が費用負担、批判相次ぐ

» 2019年02月22日 18時15分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 「えげつない」ーーAmazon.co.jpがこのほど「Amazonポイント」の制度を変更すると発表し、出品者の間でそんな声が上がっている。5月23日以降、Amazon直販商品、出品者からの商品を問わず、購入者に対し、販売価格の最低1%のポイントを付与するよう変える予定だ。購入者にとってはメリットがあるが、出品商品のポイントの費用は「出品者の負担になる」といい、出品者からは戸惑いの声が出ている。

photo 5月23日以降、Amazon.co.jpの全商品を対象に、ポイント付与率を1%にするという。Amazon.co.jpの出品者向けポータル「セラーセントラル」で2月20日に発表した

 2月22日現在、Amazonポイント規約は、「出品者が定める付与数または付与率に従い付与される」となっている。しかし5月23日以降は全ての商品に価格の1%分のポイント付与が必須となる。導入から2週間後の6月3日時点で、付与率を設定していない出品には、Amazon側が自動で設定するという。このポイントの費用は出品者の負担となり、売上から他の手数料などと合わせて控除されるとしている。

photo ポイントの費用は出品者の負担になるという

 こうした変更内容に対し、ネット上では、出品者の間で「一方的だ」「利益が減る」といった批判が出ている。「出品者がポイント分の負担を商品価格に転嫁し、結局、購入者の負担になるのではないか」「独占禁止法に抵触するのではないか」などの声も上がり、波紋を呼んでいる。

 ITmedia NEWSの取材に対し、Amazon.co.jpは「変更により、お客さま(商品の購入者)がより多くのポイントを獲得できるようになり、Amazon.co.jpで買い物をすると一層節約が可能になる」「日本のAmazonマーケットプレイスに出品されている全ての販売事業者様にとって、販売機会の拡大につながるものと考えている」と回答した。

 これまでもAmazon.co.jpは、出品業者などに対し、競合他社のストアやプラットフォームと同等かより優遇した価格、品ぞろえを保証する内容を盛り込んだ契約を結んでいるとして、公正取引委員会から独禁法違反の疑いで審査を受けたことがある

【編集履歴:2019年2月23日午前10時50分更新 ※タイトルと本文の一部表現を変更しました】



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