形は昔懐かしいポータブルタイプのレコードプレーヤーで、レコードやソノシートをプレーヤーに乗せ、回転させて針を落として音を出す。「世界標準規格ブルートゥース」をどう使うかというと、スマートフォンと接続し、音をこの昭和レコードスピーカーに飛ばすという仕組みなのだ。ただBluetoothで音楽ソフトを再生して飛ばしてもダメ。レコードやソノシートを回転させないと音は鳴らない。
Apple MusicやSpotifyから普通のBluetoothスピーカーとして使おうとして再生してもすぐに停止する。レコードの回転とリンクしているめんどくさい仕組みなのだ。だがそれがいい。
ところでレコードはわかるけど、ソノシートって何? という人も多いと思う。ソノシートは単体で発売されることはあまりなく、雑誌や書籍の付録として綴じ込みできる薄いレコード。朝日ソノラマなんかはそう言いう雑誌や本を出す出版社だからそういう社名だったのだ。
ソノシートは朝日ソノラマに商標登録されたので、フォノシートと呼ぶこともある。ソノシートの色は普通のレコードが黒いのに対して赤だったり緑だったり。昭和レコードプレーヤーに付属しているのは緑色だが、残念ながら筆者が持っている10数枚のソノシートに緑色のものはない。
せっかくなので、筆者のソノシートコレクションからいくつか紹介しよう。
昭和レコードスピーカーにはソノシートの他に、レコードとEPアダプターが付属する。そのシートとレコードの違いは、色もそうだが、真ん中に空いている穴の大きさ。レコードの方は、大きな穴が空いている。その穴に差し込んで、というか、本体の回転軸にあらかじめ差し込んでおくのがEPアダプターだ。
EPアダプターはシングル盤レコードに用いる。シングル盤レコードは、ジュークボックスで利用するために中央に大きな穴が空けられていて、通常のシングル盤を使うときにはアダプターが必要だったのである。
昭和レコードスピーカーの再生の話に戻ろう。このガジェットで音楽を再生するには、専用のアプリを使うことが推奨されている。同名のアプリをiPhone、Androidのストアからダウンロードして起動する。そこに、iPhoneならばiTunesストアで購入した楽曲を追加して使うのだ。追加した楽曲は独自フォーマットに変換される。
楽曲を追加したら、昭和レコードスピーカーのトーンアームをレコードの盤面の上に持っていく。するとかなり大きな音で回転し始め、登録されている楽曲が再生される。
最初は回転数が低く聴こえるので、回転数切り替えスイッチを45回転側にスイッチ。これで正しいピッチとスピードで聴こえるはずだ。めんどくさいが凝っている。これをやるために、わざわざフォーマットを変換しているのである。
手間をかけずにやろうとすれば、Apple Musicなどと連動するだけでもよかったろうに、無駄に手間暇かけているのだ。
スクラッチもできる。まあこの元ネタはDJ用タンテとしても使われていたらしいから、分かるっちゃ分かる。
というわけで、ついに元ネタである。実はこれまでの写真にその一部が写り込んでいるのだが。
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