昭和レコードプレーヤーには元ネタがある。日本コロムビアのポータブルプレーヤーModel GP-3という製品だ。1980年発売。リアルタイムでは記憶にないのだが、今見てみるととてもポップでかっこいい。その後、DJたちのポータブルタンテとしても使われていたらしい。タカラトミーアーツの選球眼はすごい。
このGP-3はもっと前の時代のものかと思っていたら意外に新しく、初代カセットウォークマンの翌年の発売なのだ。ACだけでなく単一乾電池6個でも動作する。文字通りポータブルなレコードプレーヤーで、ウォークマンやカセットボーイ、ウォーキーなどの超小型カセットプレーヤーに負けじと作られたのではないだろうかと推測する。
このGP-3の資料を漁っていたら実機が欲しくなってしまった。メルカリで7500円で売っていたので即入手。届いたので試してみた。
とりあえず、昭和レコードスピーカーと比較してみよう。
本当によく「コピー」しているのが分かる。縦横それぞれ3分の1くらいに縮小しているようだ。
針を落としたときのトーンアームの角度も忠実に再現している。
銀色バックの2つのノブは左がピッチの微調節、電源/ボリュームボタンだが、昭和レコードスピーカーではピッチがBluetoothペアリングに変わっている。
入手したGP-3は、後から出たカラバリで、オリジナルのレッドではない。昭和レコードプレーヤーはレッドのカバーなので、オリジナルの方。購入したのはGP-3Eという、アイボリースケルトンモデル。こっちの方がカッコいい。ブルーのスケルトンモデルもあるのだが、そちらもまた良い。
オリジナル機で45回転ドーナツ盤を再生してみたが、さすがにベルトがよれているようで、ワウフラッターが顕著だが、それも味があっていい感じだ。ベルトを交換すればまだまだいけるのではないだろうかと思うが、そのまま楽しみたい。
GP-3はトーンアームが結構強力に盤面に押し付けられるらしく、縦にしても動作するらしい。怖いので試していないが、この製品、ウォークマンたちに対抗しようとマジで考えられたものかもしれない。
しかし、5000円のものをレビューするのに7500円の出費とは。それでも欲しくなるのがこの時代のガジェット。タカラトミーアーツの「ザ・昭和」シリーズが次に何を投入してくるのか、ビクビクしながら楽しみにしている。
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