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» 2019年02月26日 07時00分 公開

IoT時代のセキュリティ絶対防衛ライン:他人の声で自宅を解錠できる? Apple「HomePod」で試してみた スマートスピーカーがIoTの弱点になるか (1/3)

各業界のIoT関連サービスが抱える問題点、そして有効な対応策とは? セキュリティの専門機関が情勢を伝えます。

[ブライアン・トゥルーペック(DigiCert),ITmedia]

 ネットにつながる家電が増えています。外出先からスマートフォンでロボット掃除機を起動すれば、帰宅する頃には部屋がきれいになっています。留守番中のペットの姿をスマートフォンで確認したり、餌やりをしたりもできるようになりました。

 特に最近は音声で操作できる家電も広がっています。例えば、電子レンジに「600Wで3分」と話しかけてセットしたり、日頃の食事を考慮して献立を提案してくれたりする製品もあります。従来の複雑なボタン操作を音声で簡単にしたり、家族の好みに合わせて食事をサポートしてくれたりする機能によって、生活はますます便利になるでしょう。

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 しかし、こういったハイテク家電が悪意のある人物に乗っ取られてしまったら……? 料理が台無しになるどころか、ペットが飢えてしまうといった、生命に関わる事態になるかもしれません。

 先日、ロボット掃除機が電気ストーブを意図せず動かしてしまい、火災に発展するリスクを東京消防庁が注意喚起する事例もありました。人間の生活に密着した製品であるほど影響は大きくなります。他にはどんなリスクが考えられるでしょうか。

photo ロボット掃除機が電気ストーブを動かし、ソファとの接触による火災を発生させる危険性があることが判明した(同庁提供)

連載:IoT時代のセキュリティ絶対防衛ライン

住宅、クルマ、ウェアラブルデバイス、医療、工場のオートメーションなど、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT:Internet of Things」時代が到来しました。生活にインターネットが密着し始めた今だからこそ、これまで以上にセキュリティに気を配る必要があります。

この連載では、SSL/TLS証明書の電子認証局であるデジサートの専門家が、各業界が提供するIoT関連のサービスがどのような課題を抱えていて、どのような手法が対抗策として有効なのかをフラットな視点で伝えます。


ネットにつながる家電、便利さの中には落とし穴も

 今回は家電のセキュリティについて考えます。着目するのはスマートスピーカーです。ネットに接続され、音声操作できるデバイスの代表格であり、さらにスマート家電の操作ハブとしても注目されています。単にスピーカーとして音楽を再生してくれるだけではなく、それ以上の働きをしてくれる優れものであることは既にご存じの通りでしょう。

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 スマートスピーカーにはAmazonのEchoシリーズ、Google Homeシリーズ、LINEのClovaシリーズなどがあります。日本では未発売(2019年2月時点)ですが、海外ではAppleの「HomePod」という製品もあります。今回はこのHomePodのセキュリティを中心に検証します。HomePodがどのようにハッキングを防いでいるか、逆にどのようなケースで悪用される可能性があるのかを考えてみます。

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