「米国発のクラウドファンディングなのに、支援者の3割が日本人だった」──日本のクリエイターが熱視線を送る“透明な箱”が日本に上陸する。
米Looking Glass Factoryは2月26日、3Dデータを立体視できる透明な箱形ディスプレイ「Looking Glass」の受注をクラウドファンディングサイト「Makuake」で始めた。日本語マニュアルと日本語対応カスタマーサポートが付属する日本向けモデルで、実機を入手できる支援額は8.9インチモデルが6万4000円(税込、以下同)、15.6インチモデルが30万5000円から。
Looking Glassは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)ゴーグルなどを使わずに、3Dモデルが透明な箱の中にあるように表示できる据え置き型の外部ディスプレイ。2018年7月に米国のクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で受注をスタート(参考記事)。計9300万円の支援を集めた。
クリエイターが立体的な動きを確認しながら3Dデータを制作したり、VRゴーグルを複数用意するのが難しい教育現場などで3Dデータを一度に複数人で見たりといった用途を想定する。
同社のショーン・フレインCEOとナイチン・バルガバさん(Business Development)は、米国ではゲームや既存のVR/ARコンテンツとLooking Glassが組み合わせられることが多かったのに対し、日本はバーチャルYouTuber(VTuber)のような独自のコンテンツが活用される例が多く、クリエイターたちが(勝手に)Looking Glassを盛り上げてくれる環境があったと評価する。
18年7月にKickstarterでLooking Glassの受注を始めた際、支援者の3割が日本人だったという。フレインCEOらは「(日本のクリエイターが)“われわれの期待を超えてくれること”を期待している」と話す。既にLooking Glassを手に入れた日本人らは、加速度センサーを組み込んだり、Looking Glassを2台組み合わせて使ったりといった工夫を編み出しており、独自の発展に驚いているという。
Looking Glassは、BlenderやMaya、Solidworks、Z-Brush、AutoCAD、Cinema4Dといった主要3Dモデリングツールに対応。OBJ、FBX、STL、gLTF形式の3Dモデルやアニメーションを専用アプリ「Model and Animation Importer App」を介して表示できる。
VR空間でライブ配信やコミュニケーションができるサービス「バーチャルキャスト」も2019年2月7日のアップデートでLooking Glassに対応した。
本体の基本スペックなどは海外モデルから変更はない。詳細は過去記事を参照してほしい。
このプロジェクトは支援額が目標に達した時点で成立するAll or Nothing(達成後支援型)形式で、目標支援額は500万円。達成できなかった場合は支援者に全額返金される。
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