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» 2019年02月28日 07時00分 公開

その企画書、読みにくいのはフォントが原因かも? ビジネスパーソンのためのフォント選び(前編)デジタルネイティブのためのフォントとデザイン(1/2 ページ)

フォントやデザインの世界を案内する連載「デジタルネイティブのためのフォントとデザイン」。今回は、企画書やプレゼン資料など「ビジネス書類のフォント選び」について解説します。

[菊池美範,ITmedia]

 プレスリリースや企画書といったビジネス書類を手にした時「ああ、これはすごく読みたいな」と思うこともあれば、「うーん、これはちょっと読む気にならないな」と思うこともある。内容を読む前の印象を決めているのは、フォントや文字の組み方だ。ビジネス書類は「見栄えよりも内容」というけれど、しっかりと内容を伝えるためにも、フォント選びはとても大切ではないだろうか。

 いま日本語フォントは、コンピュータ本体のOSに豊富にインストールされている。これに加えて「Google Noto Fonts」のように無料で使えるオープンソースのフォントや、Adobe Creative Cloudのコンプリートプランを契約しているユーザーが利用できる「Adobe Fonts」というサービスを利用すれば、デザインや出版でよく使用されているプロ仕様のフォントを使うことができる。

 この記事では、そうしたフォントを使いながら、ビジネスで失敗しないフォント選びのポイントやコツを紹介する。

(※記事中の文章や画像は全て著者が作成した架空のものです)

連載:デジタルネイティブのためのフォントとデザイン

スマートフォンやSNSの普及で、誰もが気軽に情報を発信できるようになった今、「どう発信するか」を考える上で、欠かせないのがフォントやデザインです。「最近ここのフォント変わったな」「このロゴどうやってデザインしたんだろう」と、身近な文字が気になっている人も多いのではないでしょうか。

この連載では、街角やビジネスの現場など身のまわりにある文字をきっかけに、奥深いフォントとデザインの世界をご案内します。いつも使っているスマートフォンやデジタルカメラを片手に、ひとときの「フォントの旅」を楽しんでみませんか。

菊池美範(きくち よしのり)

1980年代末からパーソナルコンピュータをデザインワークに取り入れ、1990年代〜現在までグラフィック、エディトリアルデザインの分野でフォントの適切な使い方にこだわったデザインワークを続ける。「ITmedia NEWS」のロゴの「ITmedia 」部分のデザインも担当している。

 見た人が「読みにくい」と思う書類は、たいていフォントや文字の組み方が読みにくいものになっている。これはPCやスマートフォンなどディスプレイで見た場合も、紙でプリントした場合でも同じだ。

 まずはプレスリリースの例文を使って、同じ文章でもフォントが違うとどれだけ印象が変わるか比較してみよう。

photo 本文に源ノ明朝 Regularを、見出しに源ノ角ゴシック JP Boldを使用した例。フォントサイズは9.2ポイント

photo 本文にヒラギノ明朝 ProN W3を、見出しにヒラギノ角ゴ ProN W6を使用した例。フォントサイズは9.2ポイント

photo 本文にA-OTF リュウミン Pr6 Rを、見出しにA-OTF 見出ゴMB31 Proを使用した例。フォントサイズは9.2ポイント

 フォントによって、読み手に与える印象ががらりと変わることが分かるだろう。プレスリリースが企業のブランドや製品のイメージを伝えるメッセージそのものだとすると、適切なフォント選びは、記者発表会のステージにどんな服装で登壇するかというセンスを問われているようなものだ。

 では、どのようなフォントを選べばいいかというと、ポイントは2つある。1つは文章の内容がスッと目に入ってくるフォントであること。例にあげた3つのフォントはいずれも平仮名/片仮名の曲線やはね、はらいがバランスよく、読んでいて疲れにくい。

 もう1つは、細すぎず太すぎないフォントを使うこと。下の画像は、無料でダウンロードできるフォントの中ではウエイト(フォントの太さ)が豊富な源ノ明朝を、上から1行ずつ細い順(ExtraLight、Light、Regular、Medium、SemiBold、Bold)で指定したものだ。

photo ウエイトの異なる源ノ明朝

 基本的にはRegularまたはMediumを使用し、強調や区別が必要な情報には2段階以上太いフォントを使うのがおすすめだ。ExtraLightのような非常に細いフォントは、長い文章よりもタイトルや大見出し向き。フォントサイズをかなり大きく指定すると使いやすい。

 使うフォントも2種類程度、多くても3種類までに抑えると文書全体が読みやすい。変化をつけるためだけにフォントの種類を増やしても、読む側の「ひっかかり」になってしまい、内容の理解を妨げることになる。

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